3月27日(水)、イムズホールにて「ありがとう イムズ30周年 拍手喝祭 FM FUKUOKA Presents『ゆず』プレミアムトーク」が開催された。1997年にイムズでのライブを行ったフォークデュオのゆずが登場し、当時のことや7月に行われるライブへの思いなどトークを披露し、最後にはサプライズも……。抽選で選ばれた50組100名と過ごした幸福な空間をリポート!
すべてはイムズのライブから始まった
1997年10月25日に1stミニアルバム「ゆずの素」でインディーズデビューしたゆず。同年12月には、イムズ地下2階のステージで、当時九州では初となるフリーライブを開催した。そして今年、日本音楽史上初となる弾き語りでのドームツアーを行うゆずの二人がイムズを再訪し、ファンを招いてのトークイベントを行った。
司会進行を務めたのは、FM FUKUOKAのMC、町田隼人さんと香月千鶴さんのお二人。タイトルコールと大きな拍手とともに、夏色のBGMに乗ってゆずの二人が登場すると、会場は歓声に包まれた。
ーーー福岡はいつぶりですか?
北川「去年の8月に、BIG YELLというツアーで来た以来ですね」
ーーーお二人は何度も福岡に来られていますが、まずは、福岡での思い出をお聞かせください
北川「いっぱいありますけど、どれから話しましょうか…」
ーーー今日とかで言うと?
北川・岩沢「今日(笑)!?」
北川「でもね、今日は『牧のうどん』に行きましたよ。前回のツアーの後のプロモーションで、『僕は福岡に来ると、ラーメンよりもうどんを食べることの方が多いんです』という話をしたら、『牧のうどん』をおすすめされまして、ついに今日行ってきました」
岩沢「こういうキャンペーンの時に行くご飯って、北川さんが主に指揮をとるんですけど、今日は『せっかくだから、以前福岡の方に教えていただいた、あのうどんのお店に行こう』って感じで(笑)」
会場「笑」
北川「いや、あのうどんまじでうまいよ!」
ーーー福岡のうどんの中でもトップクラスの柔らかさですけど、おいしかったということで、とてもうれしいです!
北川「食べても食べても全然減らないんですけどね(笑)」
ーーーツユは足されました?
北川「三回足しました(笑)。サブリーダー(岩沢)はおにぎりも食べてたよね」
岩沢「それが今日の思い出です(笑)」
ーーーさあ、ゆずといえば、22年前にイムズの地下でライブをされてますね
北川「1997年の12月で、確かクリスマス近くでしたね」
岩沢「僕はその時、初めて飛行機に乗ったんですよ。福岡でライブが決まったって言われた時、飛行機に乗ったことないし、パスポートもないですけど大丈夫ですかねって言った覚えがあります(笑)」
ーーーそうなんですね(笑)。そして、その時の写真がこちらです!
岩沢「(スクリーンに映し出された当時のライブ写真を眺めながら)この靴履いてたな〜」
ーーーおなじみの岡村中のジャージも着てらっしゃいますね。この頃は『ゆずの素』を出したくらいですか?
北川「そうです。この年の10月25日に『ゆずの素』を出させていただきました。すごく覚えているのが、このライブが終わって片付けをしていた時に、女子高生二人が近寄って来たんですよ。それで持っていた『ゆずの素』のCDにサインしてくださいって来てくれて、すごくうれしかったです。それが福岡での初サインじゃないかな」
岩沢「それにしても貴重な写真ですね。ありがとうございます」
北川「あの時の写真ってこの一枚しかいないからね」
ーーーそしてここで、ゆずと縁の深い方から、この度お手紙を預かっております。キョードー西日本の倉田さんからです
北川「僕らのライブをいつも手伝ってくれている方ですね」
ーーー(手紙を読みながら)『当時イムズでのライブを企画したのは私です!私がゆずのライブを最初に見たのは、東京の下北沢のライブハウスでした。まだまだ荒削りだけど、熱量が伝わってくるパフォーマンスだと思った記憶があります。とはいえ、実際にライブをやってみないと福岡でも受け入れられるかわからないですよね。当時のゆずのスタッフさんも、福岡で火をつけたいって言ってくれていたので、ライブをやれる場所を探した結果、イムズでのライブが実現しました。当時の彼らは、歌える場所があるだけで幸せだという姿が印象的でした。お二人は当時のことを覚えていますか?』
北川「今もお仕事を一緒にさせていただいているので、本当にうれしいですね。当時、僕らを売り出してくれている方々は、テレビやタイアップをたくさんするのではなく、僕たちのことをイイと思ってくれた人と一緒にやろうっていう信念があったから、倉田さんも賛同してくれたんだと思います。今だにずっと一緒にやり続けているから、そういう人たちをいつまでも感動させたいなと思っています」
サプライズで弾き語りを披露!
その後、「『ゆず』がいたから、今、○○」というコーナーを実施。事前にアンケートに答えたお客さんの中から数名が選ばれ、ゆずと自分にまつわるエピソードが紹介された。ゆずがきっかけで仲良くなった職場の先輩が、今ではとても大切な存在になっているという女性や、22年前のイムズでのライブに感動してギターを弾くようになった方、ゆずの曲を手話通訳するのが夢だという女性など、さまざまな思い出話が読まれた。最後には、ゆずの曲を聴きながら救急救命士としてがんばっている男性のエピソードが読まれ、感動した北川さんは「言葉になりませんね」と胸を熱くした。
最後に、日本音楽史上初となる弾き語りでのドームツアー「ゆず弾き語りドームツアー2019 ゆずのみ〜拍手喝祭〜」について、その思いを聞かせてくれた。
北川「デビュー当時から、いかにエンターテインメントで弾き語りができないかというのを考えています。だから今回は、いろんな見せ方で歌を届けていきますので楽しみにしてほしいです。二人だけの弾き語りだからフットワークが軽い分、毎回その会場でしか聞けない曲も用意しています。福岡での二日間でも、それぞれその日にしかやらない曲もありますし、新曲も披露します!」
岩沢「ドームは広いので、できるだけみなさんを近くに感じられるようにいろいろと工夫していますので、ぜひ楽しみしていてください!」
ーーーでは最後に、みなさんへメッセージをお願いします!
岩沢「7月にはまた戻ってまいりますので、その時どうぞよろしくお願いいたします。今年こそは、何事もなくツアーが回れるよう、みんなで無事を祈りつつ、ツアーを完遂したいと思います。サブリーダーでした!」
北川「昔イムズに最初に来た時は、『負けるもんか』っていうか、お客さんに対して挑みかかるような気持ちでやっていたところもありました。でも、最近はそうではなく、みんなで素晴らしいライブを作り上げいきたいと思っています。最高のツアーにしますので、ぜひ福岡のライブに遊びにきてください。よろしくお願いします!」
と、ここで終わるかと思いきや、最後に曲を披露するというサプライズが発表され、会場は喜びが爆発した。「みんな元気ですか!僕たちは1997年12月23日にイムズでライブをやりました。その時になんの曲をやったのか、あんまり覚えてないんですけど、多分この曲は絶対やったんじゃないかと思って、その時使ったギターを持ってきました!行ってみよう、地下街!」という北川さんの一言から、「地下街」と「栄光の架橋」の2曲を弾き語りでプレゼントした。
このゆずの原点である弾き語りに、誰しもが笑顔になったはずだ。ゆずの歌には、大げさではなく、その人の生活や人生に寄り添ってくれる大きな力があると改めて実感した。そんな二人の、弾き語りだけで行うドームツアーという新たな挑戦が始まろうとしている。「ドームツアーで福岡には2回訪れていて、前回の時も福岡がファイナルでやらせていただきました。今回は二日間もやれるので、もうお祭りですよ!」(北川)。ゆずに染まる福岡の7月の二日間、“拍手喝祭”というお祭りに胸が膨らむばかりだ。
森川和典