TAKAHIRO「人情溢れる温かい作品となった」 映画『僕に、会いたかった』大阪先行上映会

関西ウォーカー

EXILEのヴォーカルTAKAHIROが初めて単独主演した映画『僕に、会いたかった』が5月10日(金)より全国公開される。それに先駆け4月7日(日)大阪市中央区の「TOHOシネマズなんば」にて舞台挨拶付きスペシャル先行上映会が開催され、主演のTAKAHIRO、キャスト・プロデューサーそして脚本にも携わった秋山真太郎(劇団EXILE)、監督・脚本を務めた錦織良成の3人が上映前に舞台挨拶を行った。

4月7日(日)大阪先行上映会が開催され、(左から)錦織良成監督、TAKAHIRO(EXILE)、秋山真太郎(劇団EXILE)が舞台挨拶に登壇した


「僕に、会いたかった」の舞台は島根県隠岐諸島。12年前に起こったある事故により記憶を失ったTAKAHIRO演じる元漁師の徹が、母親や島の人々、また島留学にやって来た学生たちと触れ合う中で、新しい自分を見つけ出すというオリジナルストーリー。松坂慶子や小市慢太郎といったベテラン勢に加え、山口まゆ、板垣瑞生(M!LK)など若手俳優らが脇を固めている。

キャーという歓声と大きな拍手で迎えられた3人。冒頭TAKAHIROは「上映前ということで、話せる内容に限りがあるが、リラックスして楽しいひと時を過ごせたらと思う」と挨拶。続けてメガホンを取った錦織監督は「みんなで、静かな優しい映画を作ろうということで結集して頑張った」と作品について言及。秋山は「監督と共同脚本、プロデュース、出演をさせていただきました。本日はMCも務めさせていただきます」と述べた。

【写真を見る】本作で初の単独主演をしたTAKAHIRO(EXILE)


ちょうど1年前に撮影をしていた本作。編集を終え、観客に披露できる段階となったことについてTAKAHIROは「監督も仰った様に、静かで心温まる映画になったかなと思う。静かな中に沢山のヒントが散りばめられていて、最後の方はどえらいスピード感で進んでいくという心を揺らされる様な映画になっているので、どうかひと時も目を離さず、見逃さず観ていただければと思う」と今の心境を語った。錦織監督は「TAKAHIROさんと松坂(慶子)さんという親子、できすぎなくらい美男美女なので皆さんどうなんだと思われるかもしれないが、食卓のシーンはじめ、親子のシーンが非常にリアリティに溢れているので、非常に満足している」と述べた。

キャスト・プロデューサー・脚本として本作に携わった秋山真太郎(劇団EXILE)


これまでTAKAHIROは映画やドラマ、舞台にも出演したことがあるが、今回初めてヒューマニティーに溢れる作品への出演となった。そのことについて「ヒューマンドラマというか、いい意味でエンターテインメントしすぎていないドキュメントの様な、人生の一部を切り取った様な映画が大好きなので、監督の作品で画角の中に立てたというのは光栄だし、自分にとっても錦織監督と一緒に映画を撮らせていただくというのは夢の一つだったので、それが叶った」と率直な気持ちを述べた。

TAKAHIROをディレクションするのに気を付けた点を問われると錦織監督は「僕の作品もご覧いただいていて、すごく鋭い視点を持っていらしたので、むしろ演技指導するのはやめ、感情の起伏のところを伝えていた」とTAKAHIROの感性を生かしつつ、撮影を行ったと言及した。それについてTAKAHIROは「これからご覧いただく数々の名演技。これはひとえに僕の技量かと思っていますので…」と述べ観客の笑いを誘い「冗談はさておき、1シーンごとに監督ともかなり相談させていただきました。今回秋山が脚本も手掛けているということで、どういった意図でこの作品を作ったのかということを大切にしたいなと思い、本当にいのいち相談させてもらったので、僕は大船に乗ったつもりで安心してお芝居をさせていただいた」と語った。

秋山真太郎と共同で脚本、メガホンを取った錦織良成監督


各地で試写会を行っている段階ではあるが秋山が「Twitterでの反応がすこぶる良く、めちゃくちゃ嬉しいんですよ」と笑顔を浮かべ、TAKAHIROに対し手応えなどを感じているかと問うと、長崎で舞台挨拶を行った時のことを例に挙げ「皆さんと一緒に大きなスクリーンで観たいなと思い、一番後ろの方で映画を観た。お客さんが出られるまで会場にずっといたのだが、終わった瞬間に拍手をしていただいた」と明かし「鳥肌が5センチほど立ちました」と述べると、再度客席から笑いが起きた。

お勧めのシーンについて錦織監督は「TAKAHIROさん、松坂さん、若手の俳優さん達、全員が静かにお芝居をしていて、どのシーンも静かに進むので、理屈ではなく、音楽を聴く様に、感じて観てもらえたらなと思う」と述べ、更に「最近は原作ものとかが沢山あるが、これはオリジナルなんですね。原作ものってキャラクターを映画で観ているつもりではあるが、原作で読んでいるから、キャラクターを把握した上で観ているんです。だから理解しやすいのだが、こういうオリジナルものは日本映画になかなかないので、変に理屈で観ないで感覚として静かに観てもらえるとすごく嬉しい」と本作に対する思いを語った。

各地での試写会にて、反応がとても良いと喜ぶTAKAHIROと秋山真太郎


続いて、舞台挨拶などでなかなか観客と会える機会も少ないということで、質問コーナーが設けられた。「今回のチームで別の作品を作るのであればどういう作品が良いか」と問われると、錦織監督は「今回はどちらかというと30代以降の大人だけでなく、若者にもわかってもらえる様な作品作りをしたので、今度は子供達に向けた作品を作れたらなと思う」と回答。するとTAKAHIROが「ここである程度明確なことを言っていただければ、僕らも次の仕事に必ず繋がるので…」と述べ、すかさず秋山が「監督、お願いします!」と言い、TAKAHIROと秋山が同時に頭を下げる場面も。「ヒーローものとかやりたい!なんか変身するかっこいいやつ」と秋山が述べると、錦織監督は「僕は変身したら可愛くなるやつがいい。かっこいいのは当たり前すぎるので」と言い、TAKAHIROは「例えば変態仮面とかどうですか?」と提案。錦織監督が「あれ可愛い?」と聞くと、「可愛い!」と返答し、再び会場中を笑いの渦に巻き込んだ。

「静かで、心温まる作品に仕上がった」と話す3人


最後に錦織監督は「作品はファンの人達にも喜んでいただける様に作ったが、TAKAHIROさんこれから役者としてどんどん伸びると思うんです。ファンの方はもちろんなのだが、それ以外の方にもTAKAHIROさんの演技を観てくれることが一番嬉しいなと思う。ファンの方が喜んでいらっしゃる姿を舞台挨拶で観たので、できればそれを広げてもらって、TAKAHIRO君がもっともっと役者として大きくなるのを傍で観ないで、ちゃんと一緒にできる様になればいいなと思っている」とTAKAHIROに対する思いを述べ、続けて「作品はこれからなので、みなさんの評価はもちろん感想等々を僕も見させてもらおうと思っている。本日はこの映画を選んで来ていただいて本当に感謝申し上げます」と深々と頭を下げた。TAKAHIROは「こういうネット社会になった今、人と人が顔を合わせることだったりとか、触れ合うことが少なくなってきている現実があるなと思う中で、こうやって人情溢れる温かい映画を撮ることができ、そして皆さんの手元にお届けできることを本当に嬉しく思う。これを機に皆さんの家族だったり、大切な人に感謝の気持ちを少しでも持っていただける様なそんな映画を感じていただければ有難いなと思っている」と締めくくり、舞台挨拶は終了した。

南華凛

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