不景気と言われつつも、忘年会は「86%の人は参加する(アサヒビール調べ※1)」というデータもあるほど外せないイベントだ。その忘年会、景気の影響もあってか、ことしはリーズナブルな大手居酒屋チェーン店が人気のようだ。
「ワタミ」では、予約件数が前年の同月に比べ約3割も増しているという。ボリュームと質にこだわった2500円のコースが人気で、プラス1000円で飲み放題もつけられるというおトク感が受けているようだ。
個室居酒屋として人気の「東方見聞録」や「月の雫」でも、3000円のコースが人気。この価格設定は、個室居酒屋としてはギリギリのライン。昨年よりも価格を下げることで予約数UPにつながったと広報は語る。
なんとも魅力的な価格設定ではあるが、各社が力を入れているのはむしろキャンペーンだという。「11月までに予約すると、利用金額の50%を、来年1月以降に使える食事券としてキャッシュバックするというキャンペーンを実施しました(現在は終了)。これにより秋口からの予約を確保でき、結果予約件数の増加につながりましたね」と語るのは、ワタミの広報。一方、「黄金の蔵」(三光マーケティングフーズ)でも、ウィークデーに利用すると利用料金の25%が食事券として返ってくるというキャンペーンを12/25(木)まで行っており、駆け込み忘年会の利用者に受けがいいそうだ。
たしかに利用する側としてはおトク感溢れる話。でもちょっと太っ腹すぎやしませんか…?
「実はここまで大きなキャンペーンはワタミとしても初めてです。理由は、景気の落ち込みが不安だったからですね」とワタミの広報は言う。また、三光マーケティングフーズの広報も「値段も下げて平日のキャンペーンもかなり割安に。利は少ないですが、それでもお客さんの数は減らしたくないですから」とコメント。
消費マインドが冷え込んでいる中、各社「消費喚起」に一番力を入れている様子。この傾向は、“100円おにぎり”のセブン-イレブンや、“1万1000円分使える1万円商品券”を発売したイオンなど、流通業界にも通じるところがあるだろう。1人3000円台でボリュームたっぷりのコースが楽しめる大手居酒屋チェーン店の忘年会。シーズン本番に向けて、アナタもうまく使いこなしてみては? 【WalkerPlus/安藤真梨】