5月20日、2020年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で明智光秀を演じる長谷川博己が、明智光秀の菩提寺である天台真盛宗総本山西教寺(以下西教寺)を訪れ、明智光秀一族の墓などで手を合わせた。
「麒麟がくる」は戦国初期の群雄割拠の戦乱の中、天下を狙う武将たちの命と愛をかけた戦いの姿を描く一大叙事詩。若き明智光秀や織田信長、斎藤道三、今川義元、豊臣秀吉、徳川家康らが登場する。初めて4Kの高画質でフル撮影される大河ドラマとしても注目されている。
西教寺は滋賀県大津市坂本にある名刹で、寺伝によれば聖徳太子が恩師の高句麗の僧・慧慈と慧聡のために創建された。織田信長の比叡山焼き討ちで被害をこうむったが、その直後坂本城の城主となった明智光秀が復興に力を注いだと伝わる。明智光秀一族の墓所のほか、光秀ゆかりの書状や陣鐘など光秀ゆかりの文物が多数残る。
ブルーのスーツにネイビーのシャツというシックないでたちで登場した長谷川は本堂で光秀直筆の書状・供養米寄進状を見学。本願寺勢との戦いで亡くなった18人の武士の供養のため、米を寄進した光秀が西教寺にあてて送った書状だ。光秀の文字を見た長谷川は「文字から繊細なやさしさを感じる。芸術性もあった人なのでは」と光秀の人柄を推し量る。
その後、光秀一族の墓に大河ドラマで明智光秀を演じることになったことを報告。実は昨年の朝ドラ「まんぷく」の滋賀県ロケの際にも同寺を訪れ墓参しているそう。「今日来ることになって呼ばれたように思う」と感慨深げだ。今回は「私が明智光秀をやりますが、よろしいでしょうか。必ずいいものにします」と墓前に報告したという。ただ、さまざまな資料を読んでも光秀の人物像は「まだ正体がつかめない」が、「光秀を演じるのは楽しみ。興奮している。できるだけ平常心で自分を空にして、こういう墓参などをして容器を埋めていけたら」と意気込みを語った。
制作統括の落合将チーフ・プロデューサーは「長谷川さんは微妙なニュアンスを表現できる人。明智光秀がどう変化するかその微妙なニュアンスで表現してくれると思う」と信頼を寄せる。
「麒麟がくる」の撮影は6月初旬から東京都内のスタジオでスタート予定。2020年1月から放送予定。
鳴川和代