日本の魅力を再発見!2年後に向け「伝教大師最澄1200年魅力交流委員会設立」を比叡山延暦寺大書院で発表

関西ウォーカー

記念撮影に応える委員。左から小堀幹事、杜多幹事、鳥井委員長、加藤副委員長、千委員


日本の天台宗の開祖として知られる伝教大師最澄。平安時代に広まったその教えは今なお受け継がれ、2021年には没後1200年を迎える。この伝教大師一千二百年大遠忌を機に、日本文化に新しい息吹をもたらし、人材育成に生涯をかけたと伝えられる伝教大師最澄の精神に触れ、その感動を広く伝える活動を通じて日本文化や神社仏閣などへの関心を呼び起こして、ファンになってもらうための取り組みを目的に、去る5月24日「伝教大師最澄1200年魅力交流委員会(以下魅力交流委員会)」が発足した。

魅力交流委員会は天台宗や比叡山延暦寺だけにとどまらず、京都・滋賀を中心とした企業や自治体関係者、伝統芸能関係者などが集い、次世代との交流を含め、さまざまなイベントや観光振興などを行う予定だ。サントリーホールディングス株式会社の鳥井信吾代表取締役副会長を委員長に迎え、加藤好文京阪ホールディングス株式会社代表取締役社長、三日月大造滋賀県知事を副会長に、越直美大津市市長や西脇隆俊京都府知事、門川大作京都市市長らが委員に名を連ねる。

6月11日には比叡山延暦寺大書院で「伝教大師最澄1200年魅力交流委員会設立」記者発表が行われた。記者発表には鳥井信吾委員長、加藤好文副委員長、武者小路千家第15代家元後嗣の千宗屋委員に加え、幹事の杜多(とだ)道雄天台宗宗務総長 祖師先徳鑚仰大法会事務局局長と小堀光實比叡山延暦寺代表役員執行 祖師先徳鑚仰大法会事務局奉行が出席した。

発表会に先立ち、比叡山延暦寺根本中堂で1200年間ともし続けている「不滅の法燈」が入場した


冒頭、会場には比叡山で1200年間途絶えずともされている「不滅の法燈」が入場。厳かな雰囲気に、会場の空気も引き締まった。

冒頭、杜多幹事は「2年後の大遠忌を機に、祖師の人となりを多くの人に受け止めてもらえるよう、魅力交流委員会を立ち上げた。仏教離れ、寺離れとは言われているが、日本人は宗教に関心を失ってはいない。この機会が国宝とも言うべき一隅を照らす優れた人材育成となるようお力添えをいただきたい」と設立の趣旨を述べた。

大学コラボプロジェクトに参加している大学生たちも出席。取組みに対する熱い思いを発表した


魅力交流委員会の特徴のひとつは大学コラボプロジェクトの存在。趣旨に賛同した大学教授や大学生が共に話し合い、催事や企画を提案する取組みだ。今回の記者発表会では16人の大学生とアドバイザーの道元徹心龍谷大学教授が出席、学生からは今回参加したきっかけや取組みにかける思いなどが発表された。立命館大学の城間有海君からは現在進行中の企画として「坂本で『3日間の村』として坂本のよき時代を再現したり、歴史絵巻をラッピングした京阪電車を走らせたい」と意欲的なプランが語られた。

これに対し、加藤副委員長は「ラッピング電車は非常にいいので、早速取り入れたい。若い人が新しいことに取り組むのは楽しみ」と笑顔を見せた。千宗屋委員は「比叡山は京都・滋賀を見守ってきた身近な山。でも、その魅力が具体的には広まっていない。改めて最澄の魅力を、官民学を超えて発信していく新たな試みに期待している」と発言。

「最澄によって培われた日本文化の魅力の再発見につなげ、見らに向け多くの共感者をはぐくむこの取組みに協力を」と呼びかける鳥井信吾委員長


鳥井委員長は「今回の最大の特徴が大学コラボプロジェクト。われわれも一緒に学生の熱い思いを受け止めて作り上げていくことが大切だ。最澄によってこの比叡山で1200年前に始まり、培われた日本文化の魅力の再発見になってほしい」と期待を語った。

なお、不滅の法燈は来年4月から2021年6月までの1年2か月の間、特別ご朱印と共に全国の天台宗寺院を巡る予定。また、伝教大師1200年大遠忌記念として特別展「最澄と天台宗のすべて」が2021年から2022年にかけて東京、九州、京都の各国立博物館で開催される予定だ。

魅力交流委員会の活動はまだ始まったばかり。2021年に向け、どんな取組みが登場するか今から楽しみだ。

鳴川和代

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