映画「ソーシャル・ネットワーク」を関西ウォーカー執筆陣らが熱く語る!【前編】

関西ウォーカー

世界最大のソーシャルネットワークサービス、Facebookの誕生と成功の裏にある物語を描いた映画「ソーシャル・ネットワーク」が2011年1/15から公開される。それに先立ち本誌連載「関西ITなう。」でおなじみのIT業界に造詣の深いメンバーと映画パーソナリティ・平野秀朗さんが熱いトークを繰り広げたイベントが12/13にUSTREAMスタジオ カフェ大阪(大阪市中央区)で開催。そのトークをWEBで公開するぞ!

<ゲスト>

魚井宏高(大阪電気通信大学教授)Twitterアカウント:@Sakanabone

ヒューマン・インターフェースを教えるかたわら、Apple系ポッドキャスト「ワンボタンの声」監修も

平野秀朗(映画パーソナリティ) Twitterアカウント:@Hirano_Hideaki

テレビやラジオ番組の制作を手がける一方、映画評論家としても活躍。本誌では「銀幕魂」連載中

山村和久(ワンボタンの声) Twitterアカウント:@yamamura

Appleファン向けインターネットラジオ「ワンボタンの声」を制作配信。興味のある方はぜひフォロー!

<司会>

玉置泰紀(関西ウォーカー編集長)Twitterアカウント:@tamatama2

「イケてないけど、超人だったマーク・ザッカーバーグ」

玉置 僕は今回2度目の試写なんですが、2回見るとなんだか主人公のマーク・ザッカーバーグに愛情がわいてきました。

平野 実はこの映画にとって、いま、この時間はとてもホットな時間です。本作はナショナル・ボード・オブ・レビューの作品賞をはじめ、続々賞を受賞。そしてあしたはアカデミー賞の前哨戦といえるゴールデン・グローブ賞ノミネート作品の発表。もちろん、有力候補といわれていて、アカデミー賞に一番近い作品として期待されています。

玉置 「ソーシャル・ネットワーク」っていうのはストレートにいえばFacebookのことです。この映画のおかげでFacebookのユーザーが増えるんじゃないかな。

魚井 僕はこの映画がFacebookのユーザーを増やすとは思えないんですけど(笑)。

玉置 Facebookを作ったマークはアメリカの名門大学・ハーバードの学生なんだけど、めちゃくちゃイケてないですね。彼氏にしたい人います?結果的にはお金持ちになりましたけど、本当にイケてない。

魚井 オープニングのシーンを見たら、絶対あの彼女にはなりたくないですよね。

玉置 オタクには超人的なギークと話がかみ合わないアニオタみたいなナードがあるけど、彼は両方の側面を備えていますね。

山村 ギークの雰囲気もよく出ていました。映画自体も海外のTVドラマ「パイレーツ・オブ・シリコンバレー」(邦題「バトル・オブ・シリコンバレー」)みたいに楽しめました。IT業界の実状もよく伝えていると思いますよ。

平野 「パイレーツ・オブ・シリコンバレー」って、スティーブ・ジョブスとビル・ゲイツが若いころ、いろいろなものを作り上げた時代を描いたテレビドラマですね。

玉置 それはIT三国志みたいな話ですか? 劉備、曹操みたいな(笑)。

山村 アメリカでは昔から二人で何かするというのはすごくドラマチックですよね。

平野 アメリカのIT企業ではハッカーなんかで名前を売った人物がヘッドハンティングされるとかアメリカンドリームが体現できる。

魚井 実際にハッキングのコンテストで力を試すのはグーグルでもやっていますね。社員も若い。10代だっている。平均年齢は30歳に満たない。

玉置 本作の主人公、マーク・ザッカーバーグだって19歳でFacebookを立ち上げてますしね。

「本ものに近い登場人物」

玉置 さて、平野さん、本作のメガホンをとったデビッド・フィンチャーってどういう監督ですか?

平野 映像のこだわりが有名なところですが、人間の気持ちの裏に潜むどろっとしたもの、いやなものをえぐり出して堂々と見せるのが好きな監督ですね。そういう監督がこの題材を描いていやなところを浮き彫りにして、Facebookの負の部分を表現しているのがスゴイ。

玉置 1回見るとそういうイメージが強いと思うんですが、2回目に見るとフィンチャーはかなりマークのことを考えて、彼にある程度感情移入して描いていることがわかると思うんですよ。

魚井 「ナップスター」を作ったショーン・パーカーが出て来ますが、あれは著作権違反に問われて会社をつぶされた失敗した人なんですよね。

玉置 「ナップスター」というのはファイル交換ソフトの一つですね。いまは普通に売られているものがYou Tubeで聞けてしまったりするけど、いまの生活の基準は「ナップスター」から始まっている。

平野 実在の人物が出てくる、実際にあったお話ですが、登場人物は本ものに似てるんですかね。

魚井 あれは似ていると思いますよ。みんな。わざと似せていると思います。顔も似ていますね。

玉置 マークって、ときどき口を「うむっ」ってするでしょう?

魚井 あれも癖なんだと思いますよ。

平野 資料には一つの芝居を200テイクぐらい撮って、徹底的に本人に似せるような練習をさせたり、俳優は缶詰になって洗脳されるぐらい練習したとあったので、かなり似せているんでしょうね。

(後編に続く)

http://news.walkerplus.com/2011/0107/22/

【取材・構成=鳴川和代】

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