SKE48 高柳明音「舞台はお客さんと一緒に作っていくものです」

東京ウォーカー(全国版)

「今回、私が演じるお市は、第六天魔王のお市とはタイプが全然違いますので、注目してみて下さい」SKE48 高柳明音さん


舞台『斬劇「戦国BASARA」天政奉還』に、前作に引き続きお市として出演する高柳明音さん(SKE48)に役柄についてお話を聞かせていただきました。

時間さえあればゲームをやってお市でプレイして役の勉強をしてました


――前作の、斬劇『戦国BASARA』第六天魔王でお市を演じられましたね。その時のお気持ちを教えて頂けますか。

【高柳明音】前作の第六天魔王の出演が決まった時は、男性の役者さんがメインで女性のお客さんが多い舞台に出るのが初めてでしたのでとても不安でした。また、私がアイドルという事もあって、お市を演じる事が発表になった時に、好意的な意見ばかりではなかったので、マイナス意見を覆さなくてはいけないというところから始まりました。

この作品に寄り添って、この作品を愛して、お客さんにもその愛が伝われば、私が演じる新しいお市もきっと愛していただけるかなという思いをもって挑んだ前回でした。不安から始まりましたけど、舞台でお市を皆さんに観ていただき、舞台を終えた時はすごく楽しくて自分自身が舞台も含めて「戦国BASARA」という作品を大好きになっていましたね。また、「戦国BASARA」を観に来ているお客さんの愛が本当に深くて、さらに純粋でもあってそれがすごく素敵だなと思いました。

【画像を見る】舞台「『戦国BASARA』は10周年。私もSKE48で10周年を迎えましたので同じ歴史なんだなと思いました」SKE48 高柳明音さん


――今回もお市を演じられますね。出演が決まった時のお気持ちをお聞かせ頂けますか。

前作ですっかり「戦国BASARA」を好きになっていたので、お市としてまた舞台に立つことができればいいなと思っていました。一年ちょっと経っていますが、またこの作品に呼んで頂けたのはとてもうれしいです。あとは、自分が初めて「戦国BASARA」に出演した時にご一緒した、伊達政宗役の眞嶋秀斗さんと真田幸村役の松村龍之介さんが今回の作品で「戦国BASARA」を卒業されるというのもあって、より一層この作品に出たいなという気持ちはありました。

――演じる役柄、お市はどんな人物か教えて頂けますか。

【高柳明音】織田信長の妹であり、前作では浅井長政という旦那様がいました。お市は旦那様の状況によって気持ちが大きく左右されるところがあります。うれしい時と、全部自分が悪いんだと溜め込んじゃう時と、何かすべてが発散されたような時と、第六天魔王である織田信長の妹、第五天魔王と言われているくらいですから、いろいろ気持ちが変わる二面性のある人物だと思います。

「何番とか立ち位置を覚えるのもものすごく早いです」SKE48 高柳明音さん


――二面性のある人物という事で、声のトーンを変えて演じたりされたのでしょうか。

【高柳明音】そうですね。前回は結構闇堕ちしていました。「フフフフフ」と声のトーンが上がっている時と、「私が全部悪いんだ」と低いトーンで発声する時と、「そんなんだったら私の手で死んで」と旦那様を2回刺すという結構すごい行動に出たりもして、「お市の手で浅井長政を刺す姿を見たくはなかった」という意見をお客さんからもいただきましたね。今回は、旦那様がすでにいなくなっていますので、詳しくはお話できませんが前回とは違うテンションで演じています。

「第六天魔王」と「天政奉還」の間に「蒼紅乱世」というのがあって、何回かの公演のなかに全編お笑いに特化している笑劇というのがあるんです。それを受けて、実は今回全編、役者がジャージ着用で演じる「特別衣装公演」があります。結構カオスな事になっています(笑)。ジャージ公演だけを観るのではなく普通の公演もぜひ観ていただきたいですね。ジャージ公演は普通の公演とは全然違いますがメイクはしっかりとやりますよ。

「お市は困り眉なので笑っていても悲しい顔になるんです(笑)」SKE48 高柳明音さん


――お市の動きや、仕草などはどうやって身につけたのか教えて頂けますか。

【高柳明音】楽屋にゲームを置いてくださっていましたので、時間さえあればゲームをやってお市でプレイしていました。モーションを見ながら、この動きはあそこに取り入れられるなとか勉強していましたね。イメージもあると思いましたので、声もできるだけアニメでお市のCVをやっている能登麻美子さんを意識して近づけるようにしました。ゲームそのもののモーションで、舞台でもいくつか演じていますのでオープニングに注目していただきたいです。実際に殺陣をやる時もお市のモーションも見させていただきながら、ゲームの技を取り入れて動いたりしています。

「殺陣では今回は前回ではやらなかったモーションも取り入れてやります」SKE48 高柳明音さん


お市は常に困り眉なので、眉毛も内側も山になっているところも剃りました


――前作で殺陣に初めて挑戦され、久しぶりだと思いますがいかがですか。

【高柳明音】殺陣、うまくできるかなとすごく不安でした。一年以上経っていますし、抜けていたら恐いなと思っていましたが、最初はちょっと「ああこうだった!こうだった!」と思い出しながらやっていましたのでてこずりましたけど、前回とは入り方が違いましたね。「こっちに行ったらだめ」とか身体が覚えていました。

前回は普段ダンスをやっている事で殺陣を難しく感じていました。ダンスは決められているステップもあれば、移動のステップは自分の歩幅に合わせて結構自由だったりするんですよ。それが殺陣では許されませんので、「右から出さないと左からは薙刀が振れない」とかそういう決まりが身についてなかったのでそれが難しかったです。今回は無意識に覚えていたみたいで、殺陣師の方にも演出の方にも「やっぱり一回やっていると違うね」と言葉にして褒めていただけたのでうれしかったです。滑らかな動きになってお市らしさが出せているようです。殺陣が思い通りにできるととてもすっきりしますね(笑)。今回は前回やらなかったモーションも取り入れていますので、ご覧になるとわかっていただけると思います。

「全編、役者がジャージ着用で演じる公演があるのです。結構カオスな事になっています(笑)」SKE48 高柳明音さん


――衣装も楽しみですね。

【高柳明音】はい。前回と同じ衣装ですが着ると華やかでいいですよね。今回は出演者もかなり多くて、初めてご一緒する役者の方もいらっしゃるので前作とはまた違った感じでやれるのがうれしいです。

――メイクはいかがでしょうか。

【高柳明音】メイクも前回と同じような感じです。お市は常に困り眉なんです。メイクもちょっと折っている感じにしてますね。そのために眉毛も内側を剃って、山になっているところも剃って、眉毛自体を変えています。ふだんの眉毛ではお市の眉毛がかけないので、そこだけ特殊メイクみたいにするのも嫌ですので剃っちゃいました。困り眉なので笑っていても悲しい顔になるんです(笑)。「何悩んでいるの?」と言われると「笑ってるの!」と言っています。ゲームのお市の眉を忠実に再現しています。

「ゲームのモーションで、舞台でもいくつかやっていますのでオープニングに注目していただきたいです」SKE48 高柳明音さん


――SKE48でのアイドルとしての活動が、斬バサに活かされたと感じた事があれば教えて頂けますか。

【高柳明音】SKE48ではいつも歌って踊っていますので、今回は歌っている場面があるかもしれない!わかんないですけど、もしかしたら踊るかもしれない!となった時の振り入れはものすごく早いでしょうね(笑)。あとは、何番とか立ち位置を覚えるのももちろん早いです。番号は一回で覚えられます。番号の感覚はSKE48でやっていることが身についているので、舞台に活かされますね。

――こう観て欲しいというおすすめの観方があれば教えて下さい。

【高柳明音】キャラクターが多いのが魅力です。舞台「戦国BASARA」は10周年。私もちょうどSKE48で10周年を迎えましたので同じ歴史なんだなと思いました。10年の歴史の中にいろんな物語があって、いろんなキャストで代わる代わる演じてきた中で、今回、このキャストでやれることがうれしいです。一部、10周年のための催しもありますし、そういったところも見所だなと思います。10年のよさが詰め込まれた作品になっていると思います。

あとは、武器を使いこなしている殺陣ですね。ゲームをやっていたらこれは3次元ではムリだなと思うんですけど、それをやっちゃうところがこの舞台のすごさです。今回、私が演じるお市は、第六天魔王のお市とはタイプが全然違いますので、注目してみて下さい。前回でお客さんに受け入れていただいた事もあり、今回は前回できなかった事に挑戦してみようかなと思っています。

「前回と同じ衣装ですが着ると華やかでいいですよね」SKE48 高柳明音さん


――最後に、舞台の魅力について教えて頂けますか。

【高柳明音】やはり生ものだなと思います。表現ひとつで相手の受け取り方が変わりますよね。毎日同じ台詞で同じ立ち位置で同じ動きをしていても、役者ひとりの気持ちで新しい見え方があったりとか新しい発見があったりする。私たちの中で台詞のひとつひとつを噛み砕いて理解していても、お客さんの捉え方が違っている場合もあったりして、役者側もその意見で学んだりしているんです。もちろん、伝わり方が違う事を反省する事もありますが、そういう受け取り方もあるんだなと勉強になりますね。舞台はお客さんと一緒に作っていくものだなって思いますね。

「舞台を終えた時はすごく楽しくて『戦国BASARA』が好きになっていましたね」SKE48 高柳明音さん


アイドルのステージもそうですけど、舞台もお客さんが入って、稽古とはかなり雰囲気が変わりますので、一回一回が新鮮ですごく楽しくて、ステージにしっかり向き合っていれば、舞台も私たちの期待に応えてくれるし、私たちも舞台の期待に応えたいと!舞台には気持ちがある、舞台って生きているなと思います。真剣にまじめにやっていれば、舞台もいざという時に助けてくれたりもしますね。ミスはよくないんですけど、あそこのミスはギリギリだったなと思った時に、意外にいい方に見られていたりする時にそう感じます。

「舞台には気持ちがある、舞台って生きてるなと思います」SKE48 高柳明音さん


――最後にひと言お願い致します。

【高柳明音】稽古でみんなでいい雰囲気でつくりあげてきましたので「戦国BASARA」を愛している方にぜひ観ていただきたいです!

撮影=石塚雅人

(c)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

ウォーカープラス/野木原晃一

注目情報