日産自動車は7月16日、新型「スカイライン」を9月より全国一斉に発売することを発表した。価格は427万4640円~632万7720円(税込)。
最新の運転支援技術「プロパイロット2.0」を搭載
新型スカイラインは、4ドア・スポーツセダンとしての運動性能や居住性を高めるのはもちろんのこと、最新の安全装備を備えているのがポイント。その中でも注目は世界初の先進運転支援技術「プロパイロット 2.0」の搭載だ。車両に供えられたカメラ、レーダー、ソナー、GPS、3D高精度地図データ(HDマップ)を組み合わせ、車両の周囲360度の情報と道路上の正確な位置を把握することで実現したこのシステムは、高速道路の複数車線をナビゲーションシステムと連動して設定したルートを走行。ドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ、直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて、同一車線内でハンズオフ運転が可能というもの。つまり高速道路での「手放し運転」が遂に実現した。
さらに、運転中に車両が車線変更を要求。ドライバーがハンドルに備えた「承認ボタン」を押すと、車両が自動的にウインカーを出して安全に車線変更を行うだけでなく、車両が下りるインターチェンジまで安全に誘導する。さらに、このプロパイロット2.0使用時、ドライバーが警報に反応しなかった場合、システムが車両がハザードを付けて車両を路肩に自動的に停車。専用のオペレーターに自動接続し、必要とあらば警察などに連絡をする「プロパイロット緊急停止時SOSコール」も搭載。万が一の事態にも備えている。まさに、長距離ドライブ「グランドツーリング」をよりラクに、快適に、そして安全に走行する機能だ。
室内空間もグランドツーリングにふさわしい上質な空間に。プレミアムスポーツセダンとしての機能性と質感をさらに向上させたほか、ハイブリッド仕様車には日産国内初採用のヘッドアップディスプレイや、アドバンスドドライブアシストディスプレイなどの「プロパイロット 2.0」専用装備を採用する。
遂に400馬力達成!名車「400R」の名を冠したグレードも登場
エンジンは3.5リットルV型6気筒にモーターを加えたハイブリッドのほか、新開発の3リットルV型ツインターボエンジンをラインアップ。
最高出力400馬力と、スカイライン史上最高の出力に。これに伴いよりスポーティーなグレード「400R」が設定された。「400R」とは、1995年にR33型スカイラインGT-Rをベースに400馬力の高出力専用エンジンを載せ、1200万円で販売した伝説の市販コンプリートカー「NISMO 400R」に付けられた名前。自動車好きからすると「あの名前が復活する!」というだけあって注目される存在といえるだろう。気になる燃費はガソリンエンジン車がWTLCモードでリッター10キロ、ハイブリッド車はJC08モードでリッター14.4キロとなっている。
ミッションはすべて7速ATのみ。ハンドル奥に設けられたパドルシフトで操作する。駆動方式はガソリンエンジン車がリア2駆のみ。ハイブリッド仕様は2駆と4駆を用意する。
さて、走りはもちろんのこと、乗り心地も気になるところ。新型スカイラインはインテリジェント ダイナミックサスペンションを新搭載。走行シーンに合わせてサスペンションの減衰力を緻密に制御し、車体の挙動を安定。スポーティな走行での優れた操縦安定性と、車体の揺れを低減して快適な乗り心地も実現しているという。さらにダイレクトアダプティブステアリングにより、ステアリングの切り始めのレスポンスを向上させ、ライントレース性を高めることに成功。さらに低速から中速での操舵の過敏さを軽減しながら、クルマの応答性が向上しているという。
エクステリアは近年の日産車ではお馴染みのVモーショングリルを採用。注目はインフィニティロゴから、日産ロゴへと変更されているところで、より日産の色を強く打ち出し、「走りの日産」を強く印象づけている。
リアはもちろん「丸目4灯リヤコンビネーションランプ」。LEDにより、先進的なイメージと誰もが「スカイライン」とわかるデザインとした。
まさに走る楽しみ、快適さが凝縮した新型スカイライン。日産グローバル本社ギャラリーでは、7月16日から車両展示イベントが開催中なので、この機会にチェックしてみてはいかがだろう。
栗原祥光