筒井真理子「自分の映画で涙が」映画『よこがお』大阪舞台挨拶

関西ウォーカー

ある誘拐事件をきっかけに築きあげてきた幸せが不条理にも崩れ去るサスペンス映画『よこがお』が現在公開中。

『よこがお』の大阪舞台挨拶が行われた


その公開を記念して7月28日(日)テアトル梅田で舞台挨拶が行われ主演の筒井真理子と深田晃司監督が登壇した。上映後に行われた本イベントで観客からの質問も交えながら行われた。

主演の筒井真理子


筒井と深田監督はカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞するなど衝撃を与えた『淵に立つ』(2016)以来の再タッグ。本作も8月にスイスで開幕するロカルノ映画祭国際コンペティション部門に選出され、筒井と深田も現地に参加予定で深田は「品質重視の映画祭というイメージがあるので光栄なこと」と話した。

「筒井さんを信じて脚本を書き上げた」と言う深田晃司監督


再タッグを組むにあたって深田は「脚本ができる前に筒井さんからOKをもらえたのが恵まれている」と筒井に感謝。「多面性のある役でどんどん精神状態も変わる難しい役柄を筒井さんならやってくれるだろうと、普段なら止めるところも止めることなくやりきった」と筒井の役者としての技量を信じて脚本を書き上げたという。劇中には犬のように四足歩行するシーンや極寒の湖に入っていくシーンが登場し、脚本を読んだ筒井も「これを私が演じるのか」と驚いたのだという。肉体的にも大変なものばかりで特に四足歩行のシーンではプロの指導を受けて演じたと語り、監督から「世界初のアクションですよ」と焚き付けられたと話し笑いを誘った。

観客と質問&フォトセッションの時間も


そんな筒井は「普段は自分の作品も客観的に見るようにしているけど、この作品だけ役に戻ってしまった」と語る。鑑賞後は涙が止まらなくて立ち上がることもままならない状態だったと話し「見るときもこんな風になるなんて」と新鮮な気持ちになる作品になったのだという。

観客からの「本作に込められたメッセージは?」という質問に深田は「メッセージよりもモチーフと世界観を大切にしている」と答え、深田は「人は孤独なもの」という普遍的なものを描きたいと考えているのだという。「普段は家族や会社に属して孤独を忘れて生きるようにしているけど、ふとした瞬間に揺らいでしまう。そういう時に寄り添える映画になれば」と呼びかけた。

桜井賢太郎

注目情報