8月7日(水)、都内にて、ジンズホールディングスが「JINS×慶大発ベンチャー『バイオレットライト』共同プロジェクト発表会」を開催。世界初の“近視進行を抑制するメガネ型医療機器”の開発に着手したことを報告した。
同社は、近視進行の抑制に効果があると考えられている光「バイオレットライト」について、慶應義塾大学の坪田一男教授が代表を務める慶應義塾大学医学部発ベンチャー・坪田ラボと共同プロジェクトを開始。
2020年移行に治験を実施した後、“近視進行抑制メガネ型医療機器”の製造販売承認取得を目指し、管理医療機器事業に本格参入するという。
発表会では、「2050年には世界の半分(47.6億人)が近視になるかもしれない」といった恐ろしい事実が明かされた。さらに近視には失明リスクも。近視が進行した「強度近視」は、現在、「緑内障」「糖尿病網膜症」「網膜色素変性」に続く失明リスクの4位となっているのだ。
近視というのは「眼軸長(角膜頂点から網膜までの長さ)が伸びる」ということ。親がそうだから遺伝する…というわけではなく、発症率は“屋外活動”により抑制できることが分かっている。
そこで慶大眼科が発見したのが、「太陽光に含まれるバイオレットライト(紫外線の手前にあたる波長360~400nmの紫色の光)が、眼軸長の延伸を抑える」ということ。
小中学生の視力低下が過去最高になっている今、「近視進行を抑制するカギはバイオレットライトである」と考え、JINSは、ブルーライトに関する共同研究でもタッグを組んだ坪田一男教授と協業し、“近視進行抑制メガネ型医療機器”を開発する。
同機器は、近視が進行しやすい6~12歳の小学生を対象に開発予定だ。屋外環境におけるバイオレットライトの放射照度の範囲をもとに、自然な太陽光の照度を忠実に再現。フレーム内側に搭載される照射ライトから、小学生が屋外環境に3時間滞在するのと同等量の照度のバイオレットライトを照射、ライトは直接視界に入らず、外側からも見えない構造設計となる他、自然な見た目で普通のメガネと変わらないデザインを目指す。
JINS 代表取締役CEOの田中仁氏は、「価格については未定なのですが、なるべくたくさんの子どもたちがかけられるようなリーズナブルな価格を目指しています」と話している。
Raira