神奈川県を代表する桜の名所である、大和市の千本桜。その引地川沿いに佇むのが「和菓子 みどりや」。
創業50年余りの地元で愛される和菓子店だ。
店主を務めるのは小菅澄子さん。先代である父の急逝により2代目として就任。何の引き継ぎもなく分からないことだらけの状況で、従業員や和菓子職人の先輩たちに支えられ、自らも絶え間ぬ努力を重ねて「和菓子 みどりや」を守り続けてきた。
そうして父からの想いを受け継ぎながらも、小菅さんは自分の代で新しいものを創ろうとしている。
淡い色使いに優しさが漂い、見ているうちに愛おしくなってしまって食べるのがもったいなくなってしまう…そんな女性ならではの感性を活かした和菓子は、見る人の心をグイグイと惹きつけるかわいらしさがある。
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ウサギがモチーフになった、かわいすぎる十五夜和菓子
紅葉がひらり舞い降りた「十五夜うさぎ」(右)1個(260円)。もっちり伸びのよい雪餅に包まれた白あんの甘味に癒される。
そしてもう一つは、ウサギのシルエットが映る満月をイメージして作られた「栗満月」(左)1個(220円)。こしあんと栗の渋皮煮を丸ごと1個包んだ道明寺だ。
上用まんじゅうの「月見」(180円)は、ようかんで夜空をイメージしてウサギと満月の練り切りをのせた。山芋と米粉で作ったまんじゅうは、しっとりもちっとした食感。ぎっしりと入った北海道産小豆のあんが上品な味わいを引き立てる。それぞれ9月1日(日)〜9月30日(月)まで販売。
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3位 ミニサイズなのに満足感はバッチリな「福どら」
通常サイズの「どら焼」(180円)が大きいという客の意見から、小さなサイズで作られたのが「福どら」(1個110円)。
直径約5cmで、女性や子供にも嬉しいサイズ。ちょっと小腹が空いたときのおやつにもオススメだ。
水の代わりに生クリームと牛乳を使うので皮にコクがあり、なるべく泡立てずに生地を混ぜることでしっかりとした食感に。小さな1個だが、満足感のある味わいに仕上げてある。
2位 最中が苦手な人も食べれば好きになる「千福最中」
全国菓子博覧会で金賞を受賞し、大和市推奨品にも認定された「千福最中」(各180円)。
驚いたのが、口の中で最中の皮がくっつかないところ。さらに、ボロボロと崩れにくく、サクサクと軽やかな食感と香ばしい香りが続く。「最中が苦手な方ほど食べてみてほしい」と、先代から受け継ぎこだわりをもつ自信作だ。
最中の皮を長年取引していたメーカーが廃業になったことが過去にあったそう。そこで妥協は一切せず、いくつも食べ比べて納得のいく東京のメーカーの皮に辿り着いて、今もなお作り続けられている。
パリッと砕ける食感と、あんとの一体感を味わってほしい。
1位 ほっと懐かしい味わいの「福田まんじゅう」
住所の福田から命名し 、焼印にも「福」の字を入れた福田まんじゅう(各100円)。先代から引き継がれた、看板商品とも言えるまんじゅうだ。
しっとりした薄皮の中にびっしりとあんこが詰まっていて、どこか懐かしい味わいが口の中で広がる。甘さ控えめで、1つならず2つ、3つ…と、ついつい手が伸びてしまいそうだ。
見て食べて心がほっこり癒される「和菓子 みどりや」の和菓子をチェックしてみて。
【取材・文=磯崎 舞/撮影=奥西淳二、後藤利江】
横浜ウォーカー編集部