『箱入り息子の恋』の市井昌秀監督が12年あたためてきたオリジナル脚本作品『台風家族』が9月6日(金)に公開される。それに先駆け9月4日(水)TOHOシネマズ梅田で特別上映会が行われ、主演を務めた草彅剛と市井監督が登壇した。
強盗事件を働いた両親が失踪して10年、バラバラとなった兄弟たちは葬儀をするために集まりやがて相続争いに発展していく物語。兄弟の長男で『クズ』な主人公・小鉄を草彅が演じた。
昨年の夏行われた撮影、草彅も「僕自身人生で体験したことない暑さの現場だった」と振り返り「古民家を借りてまさに蒸し風呂、涼む場所がなくて追い込んで撮影してました。当時は恨んでましたよ」と監督に打ち明ける。
さらに市井監督自身がカメラ横まで出てきて撮影に臨んだことに触れ「モニター横にいてくれたらいいのに、とてもやりにくかった」と思い出し「でもそれが段々監督の空気を感じて芝居をしてそれが安心や快感になっていった監督自身が台風の目になってみんなを巻き込んでくれた」と監督の狙いが逆に良い結果に繋がったと振り返る。しかし、撮影終了後に市井監督が草彅よりも年下であることを知り「(撮影時に文句を)もっと言ってやればよかった」と言って笑いを誘った。
市井監督は「『草彅さんの今まで演じていない、人間の汚い部分』を引き出せたら」と話し、小鉄というキャラクターを膨らませていったという。「草彅さんがこういうセリフ言ったら面白いだろうな」という思いだったと語り、草彅は「僕自身にある小さいところを見透かされて当て書きしてるんじゃないかと思った。普段言わないセリフばかりだったから段々快感になっていった」と言い該当のセリフを監督に耳打ちする一幕も。
最後に草彅は「映画とは直接関係ないですが」と前置きをしながら、この日東京で行われたジャニー喜多川のお別れ会に触れ「こうやってお客様の前に立てるのはジャニーさんのお陰です。ジャニーさんへの感謝の気持ちと学んだ多くのことを胸に抱いてエンターテインメントの世界に立っていきたい」と改めて感謝の気持ちを述べた。
桜井賢太郎