9月27日(金)から10月17日(木)の期間限定で、毎日20時から、大阪市浪速区のなんばパークスシネマでシネマ歌舞伎「連獅子」が上映される。シネマ歌舞伎は歌舞伎の舞台を撮影したものをスクリーンで上映するもので、手ごろな価格で本格的な歌舞伎を鑑賞できると、従来から好評だったが今回は長唄字幕のほか、英語字幕が付き、訪日外国人にも本核的な日本文化に触れてもらえる作品となっている。夜の上映なので、大阪滞在中のナイトエンターテインメントにもおすすめだ。
出演は一八世中村勘三郎とその息子の中村勘九郎(当時は中村勘太郎)、中村七之助の親子3人。2006年に撮影されたもので、もう舞台では二度と見られない顔ぶれだけにこれは貴重な機会だ。監督は「男はつらいよ」シリーズの山田洋次。今回は8台のカメラを舞台周辺などに設置し、さまざまな角度から連獅子を撮影、55分の映画にまとめ上げた。演者の眉の動きや息遣いの一つ一つにいたるまで、手に取るように感じ取れる、舞台とはまた違う歌舞伎が楽しめる。サウンドも三味線や笛、鼓はもちろん、足を踏み鳴らす足拍子まで迫力満点だ。
連獅子は天竺を舞台に、獅子の子落とし伝説や親子の情を描いたもの。クライマックスの毛振りは迫力満点。獅子の勇壮な動きや中村親子の息の合った演技に引き込まれ、スクリーンの中の観客と一緒に思わず拍手したくなるラストを迎える。
また、このシネマ歌舞伎「連獅子」の上映に合わせ、スイスホテル南海大阪10階の日本料理「花暦」では9月27日(金)から10月31日(木)の間、ランチメニュー「連獅子 彩り膳」を提供する。モチモチの黒胡麻豆腐の先付けや連獅子の赤と白を表現したお造り盛り合わせに始まり、舞台をイメージした木の器を使った点心には鰆の幽庵焼きや出汁巻き卵、海老の豊年揚げなど彩り豊かな料理がぎっしりと詰まっている。料理人の細やかな技が生きた料理の数々は、目に美しく、味わいもバリエーション豊かで満足できるボリューム。映画の半券を持参でワンドリンクサービス。紅白でそろえた器は、お祝いの膳にもぴったりだ。
見ごたえ満点のシネマ歌舞伎「連獅子」と日本料理の粋を味わえる「連獅子 彩り膳」。訪日外国人はもちろんだが、日本人もぜひ体験したい、この秋だけのスペシャルだ。
■シネマ歌舞伎「連獅子」 9月27日(金)~10月17日(木)毎日20:00~、会場:なんばパークスシネマ、料金:1500円(3歳以上)、上映時間:55分
■日本料理「花暦」連獅子 彩り膳 9月27日(金)~10月31日(木)11:30~15:00、住所:大阪市中央区難波5-1-60 スイスホテル南海大阪10階、料金:3500円(税・サ別)、シネマ歌舞伎「連獅子」の半券持参でワンドリンクサービス
鳴川和代