見えないことのハンディキャップとアドバンテージで言われぬ恐怖と興奮を生んだ韓国映画『ブラインド』を原作に、日本ならではの文化性と時代性を加えて脚色し、森淳一が監督した映画『見えない目撃者』。本作で主演の吉岡里帆、共演で福岡県出身の高杉真宙、森淳一監督が福岡の舞台挨拶に登壇。撮影秘話や役に挑む気持ちを語ってくれた。
ーーー博多グルメを堪能されたそうですね?
吉岡「水炊きを食べました!めちゃくちゃおいしくて、感動しすぎて、最初に飲むスープが持ち運びたいくらいおいしかったです。辛子明太子も出てきて、夜遅くだったので水炊きだけ頂いて帰ろうかなと思っていたのですが、気づいたらご飯を頼んでました(笑)」
高杉「久々に帰ってきたというのもありましたし、昨日実家に帰って楽しく過ごしました」
森「みんなで水炊きを頂いてホテルに一旦帰ったのに、地下鉄で中洲に行って、ブラブラと散歩して天神まで歩いて夜中にラーメンを食べましたよ(笑)」
ーーー吉岡さんが演じた主人公なつめは目が見えないという難しい役どころでしたが、撮影前に取材をされて挑まれたそうですね。
吉岡「警察官学校を首席で卒業したという役だったので、警察官の方に学校での過ごし方やトレーニング内容を教えて頂きました。目の見えない方にもお話を聞きました。生活の不便な部分やどのくらい場所を把握しながら生活しているのか、など色んなお話を伺いました。たくさんの方に協力して頂いて、みなさんのお話があって、このキャラクターが生まれたなという実感がありますし、とても感謝しています」
ーーーからだ作りもされたそうですね
吉岡「ジムに通って、主に背筋と腕を鍛えたんですけど、腕も筋肉がついていい感じになってきたなと思っていたのですが、衣裳が冬服だったので、見えていないんです(笑)」
ーーー高杉真宙さんは吉岡さんと共演されてどんな印象を持たれましたか?
高杉「お会いする前は笑顔が素敵で女性らしい方だという印象が強かったのですが、ご一緒して、なつめの芯の強さがすごく吉岡さんとダブる部分があったり、本当にカッコイイ方だなと思いました。仕事に対してのストイックさや、体当たりで感情をぶつけてくださったり、心意気がイケメンだなと思いながら、一緒に撮影していました。もちろん吉岡さんが大変な役なのは間違いないのですが、そういう座長だったから、僕らもついていけたんじゃないかなと思います。たくさんフォローしていただいて、姉御って感じです」
ーーー吉岡さんは高杉真宙さんと共演されていかがでしたか?
吉岡「撮影中のイメージと、こうしてプロモーションをしている時の高杉さんの姿にギャップを感じています(笑)。撮影中は集中力が高くて、役に繊細に向かうところや、思春期の細やかな心の動きなどを一緒にお芝居をしていて感じていました。この人とならいいバディーを描けるなと。最近、一緒にプロモーションをしていると、あれ?って思うくらい、かわいい?(笑)かわいい人だなと思い始めています。天然なのかな?みたいな。もちろんしっかりされているんですけど、まじめにお芝居をされているところしか見ていなかったので、今、高杉真宙さんの新しい一面を見せて頂いて、毎日笑っています」
ーーー監督からみてお二人はどんな演技だったでしょう?
森「台本を読んで考えて、自分の意見を持って現場に臨んでくれました。そこで僕の意見も聞いてくれて違いを埋めたり、ちゃんと役と向き合ってくれていたなと思っています。演技だけでなく、スタッフに対する気配りもしてくれて、スタッフとのチームワークもバッチリでした」
ーーー高杉さんは春馬役を演じる上で意識されたことは?
高杉「春馬くんには、人を信じられなかったり夢を諦めていたりする部分があって、そういうところは現代っぽいなと感じていました。でも、そういう人が成長していくところをハッキリ見せられたらいいなと。それが人のあたたかさにつながる部分があるんじゃないかと思っていました。最初と最後ではその成長の差が見せられるように頑張っていました」
ーーーこれから映画をご覧になるみなさんに一言お願いします!
森「スリラー映画ですので、怖い部分もありますが、二人の力で人間ドラマとしても面白く描けていると思います。一度、二度と観ていただけたらと思います」
高杉「エンターテイメントとして、素晴らしい作品になっています。刺激的な部分もたくさんありますが、最後は希望に満ち溢れています。たくさんの方に観て頂きたいので・・・おもしろい映画やけん、色んな人に広めてほしいっちゃん!」
吉岡「高杉さんの博多弁、素敵ですね!ビックリしました(笑)。この作品に出演することが決まってからずっと緊張していて、どんな風にお芝居をすればみなさんに楽しんでもらえるかな、ドキドキしてもらえるかな?と悩んでいました。いよいよ公開することになって幸せです。ネタバレにならない程度に、SNSで盛り上げて頂けたらと思います!」
文乃