山形県米沢市の伝国の杜・米沢市上杉博物館で11月24日(日)まで、「上杉家 武家の文化 公家の文化」が開催されている。
遠祖藤原鎌足以来その系譜をひく貴族であった、勧修寺流藤原氏の出身の上杉氏は、鎌倉時代に武士としての歩みを始めた。そして、関東管領の職と上杉の姓を継承したのが上杉謙信。謙信の生家である越後守護代長尾氏は、勢力拡大のために朝廷や室町幕府の権威を必要とし、江戸時代に米沢藩主となった上杉氏は格式化された幕藩体制下の大名として、朝廷や江戸幕府への儀礼は欠かせないものだった。
本展では、歴史の中で上杉氏にもたらされてきた古文書や美術工芸品の数々を一挙公開。上杉家が受け継いだ公家と武家の文化を検証する。
担当者は「上杉家は武家の名門ですが、その地位の確保や維持に朝廷や幕府の権威を必要としました。それらを武家文書研究の最高峰『国宝上杉家文書』中の公家文書等で検証します。また、上杉家伝来の刀剣や漆器などの優品に加えて、武家に取り入れられた公家の文化を絵画、文芸書、装束などで紹介しています」と展示について話す。
貴重な資料の数々が揃う本展。ぜひ会期中に伝国の杜・米沢市上杉博物館に行こう。
ウォーカープラス編集部