『悪人』『怒り』などの映像化が続くベストセラー作家・吉田修一の『犯罪小説集』を映像化した『楽園』が10月18日(金)より公開。10月9日(水)TOHOシネマズ梅田で特別試写会が行われ綾野剛、佐藤浩市の出演陣と瀬々敬久監督が登壇した。
映画『楽園』は青田が広がる地方都市を舞台に容疑者として疑われた青年、心に傷を負った少女、限界集落に暮らす男性の3人の運命が交錯するサスペンス。『64-ロクヨン-』などの瀬々敬久監督がメガホンをとり、追い詰められていく青年を綾野剛、限界集落で孤立していく男を佐藤浩市が演じる。
青田から山間部へと別れるY字路が印象的に映しだされ登場人物の人生の分かれ道を表すような本作。綾野は「人生は選択の連続だと思っていて、選択肢を増やしていくことができるから生きていけると思うんです。でもこの作品の登場人物はそういう選択がどんどん狭まっていくという話なんです」と解説しプライベートでは常に選択するように心がけているのだという。「その方が楽しくないですか」と観客に問いかけ「何かを否定するということが一番簡単なので、それを最後にとっておいて、どうすれば実現可能かということを考えるようにしています。こう見えてもポジティブなんで」と付け加え笑いを誘った。
佐藤も「60年近くも生きていると選択することはありましたね。その全てがうまくいったか分からないけど、今自分がここにいる、生きていられるということは間違っていなかったのかな」と語り、行き詰まっていく本作の登場人物と照らし合わせて「でも選択できる人生って幸せですよね。選択ができない、歩き続けなきゃいけない、止まっちゃいけな人生を考えると恵まれている」と振り返る。
またスポーツの秋という話題になり目が輝く綾野。「ラグビーも世界陸上もMGC、それに出雲駅伝も始まりますから、堪らないですよね」と熱く語り「スポーツはノンフィクションで圧倒的なんです。本物を目指して作っている僕らからしたらどこか憧れがありますよね」と口にする。
佐藤は横浜DeNAベイスターズが阪神タイガースに敗退した悔しさを挙げ「ぜひこのまま阪神さんには巨人戦を頑張っていただきたい」と関西のファンにエールを送った。
桜井賢太郎