今まで宅配といえば、ピザや寿司が主流だったが、2011年は、コンビニやファストフードの“宅配サービス”が主役になりそうだ。特に、昨年12月より関西エリアで宅配実験を開始したファミリーマートでは、利用客も増加中とのこと。昼食に不便を感じる企業のビジネスマンから好評だという。
昨年12月から、毎日新聞社と共同でスタートしたファミリーマートのサービスは、企業を対象にしたランチの宅配サービス。前日の13時までに受けた弁当などの注文を、当日の12時前後に配送するというもので、実施店舗は、大阪市と堺市にあるファミリーマートの直営店8店舗だ。チラシに掲載されている弁当10種の中から注文が可能で、宅配は5個以上。配達料は200円だが、10個以上だと無料になる。
「昼食に不便を感じているお客さまからは便利になったというお声をいただいております」とは、ファミリーマート広報の大月さん。ファミリーマートでは、もともとお店によっては“宅配サービス”を実施していることもあったのだが、ちゃんとした“仕組み”として展開しようというのが、今回の新宅配サービスの実験だ。
「今までも、運動会があったら飲み物を届けるなど、地域に根ざした“出前”を行っているお店もありましたが、それを全国的に“仕組み”として展開できるよう考えています」(大月さん)。今は、まとまった数で対応できる企業を対象にしているが、この実験過程で得られた課題点などを改善し、個人宅へもサービスを広げ、また弁当以外の商品も宅配の範囲を広げていくことも検討しているという。
一方、ファストフード界も宅配サービスに参入中だ。大手ハンバーガーチェーンの「マクドナルド」も、同じく昨年12月より宅配実験を開始。育児で忙しい主婦やお年寄りをターゲットにしており、東京都世田谷区の「用賀インター店」よりサービスを開始、4月までには都内最大10店舗に拡大していくという。現状では、宅配は1500円以上からだが、宅配料は無料。11:00~22:00の間で受付ている。
コンビニでは、「セブン-イレブン」が2007年より宅配サービスを開始、またファストフードでは、「モスバーガー」や「ケンタッキー・フライド・チキン」も宅配に注力している。内食の傾向により、宅配サービスがどこも好調だが、コンビニ&ファストフードの宅配サービスが、どこまで浸透するか、今後の展開が楽しみだ。 【東京ウォーカー】