全国の個人商店を応援する、AmexとJCBによる地域活性化プログラム『SHOP LOCAL』。本サイトでは全国10の商店街をピックアップして、各地で総力取材を実施。改めて地域の魅力を再発見することができた。そこで、地域の魅力の発信を続けているエリア情報誌ブランド「ウォーカー」を手がける各地域の編集長に “地元”のすばらしさや街の魅力を語ってもらった。
インバウンドの需要により食に注目が集まる福岡・長崎
九州7県(福岡・佐賀・長崎・大分・熊本・鹿児島・宮崎)という広域のエリアを誌面でカバーしている『九州ウォーカー』。編集長の町田拓郎氏は「各県ごとに細分化するという考え方ではなく、“九州”というひとつのフィールドでいかに楽しく過ごせるかを提案している」と話す。
「“足を運ぶと必ず新発見がある”ということが、地域情報を扱う楽しさです。都会ほど情報が出回っていないので、こんな景色知らなかった!こんな美味しい郷土料理があったとは!と、リサーチするたびに、取材するたびに発見があります。その驚きや発見を読者に伝えたい」
近年インバウンド需要が期待されている福岡と長崎について尋ねると、歴史や文化だけではなく、“食”に注目が集まっているという。
「福岡はコンパクトシティとして、空港⇔商業エリア⇔住宅エリアのアクセスが日本のどの都市よりも抜群によく、回遊性が非常に高い。また、車や電車で30分ほど移動すると、自然がたっぷりと残っているという点も魅力です。長崎も長崎市内のコンパクトさ、回遊性の高さが魅力。また、歴史的観点から見ても、長崎は教会などをはじめ、歴史的な建築物などが多く、国内外の観光客が多い。観光資源が多いからこそ、重要となってくるのが“食”だと思います」
九州を代表する2大都市、福岡と長崎の商店街の魅力とは
「福岡は西新商店街が一番活気があり、大学や高校が多い西新というエリア特性上、“新しい”ものにどんどん取り組んでいます。また、この商店街には週末限定でリアカー部隊が登場し、おばちゃんたちが野菜や惣菜などを手売りで販売する、いわゆる昔ながらの景色も魅力です。長崎には『浜んまち商店街』のようなトレンド感のある店と、日常使いができる店が混ざり合っている商店街もあれば、中通り商店街のような江戸中期からある渋い商店街も点在。新旧、毛色の違う商店街があることは、地元民としても観光客としても魅力だと思っています」
福岡と長崎、どちらもトレンドを受け入れ自分たちから発信していくエネルギーあふれる商店街もあれば、風情ある日本の日常を大切にした商店街も現存し、それぞれが地元に根付いているよう。地域で暮らす住民はもちろん、観光客もどの街の商店街が自分にとってステキな場所、新しい出会いを生むのかを体感しながら巡ってみるのも面白いのかもしれない。
“リアルさ”を発信することが媒体としての使命
町田氏は、「街が元気になる=そこにいる人が元気になること」だと話す。
「海外との融合が、今、福岡と長崎に起こっているムーブメント。日本のいろんな都市でそのような動きが多いとは感じていますが、やはりアジアからの観光客が街中にあふれている福岡・長崎は、インフラの整備や店舗単位での多言語化など、街を歩いていると実感できます。このように進化していく街の景色や流れ、そういった“リアルさ”を伝え、足を運んでもらえるか、が媒体としての課題だと思っています。WebやSNSで簡潔しがちですが、実際に現地に足を運び、そこに住む・働く人たちとリアルに触れ合えば、2次元では見つからない発見があります。いわゆる観光地だけはない、商店街など“日常”の魅力を発信できるかが重要だと思います」
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