3月27日、宜野湾の沖縄コンベンションセンターにて『第3回沖縄国際映画祭』のクロージングセレモニーが行われ、長編プログラムのPeace部門「海人賞グランプリ(観客賞)」と審査員特別賞「ゴールデンシーサー賞(金石獅賞)」に、中谷美紀主演の『阪急電車 片道15分の奇跡』が決定した。
『阪急電車 片道15分の奇跡』は、有川浩原作の『阪急電車』をモチーフにした、片道わずか15分のローカル線で起こる、小さいけれど温かい奇跡の物語。“人と人のつながり”“前を向いて歩こう”というテーマで、さまざまな愛の物語を中谷主演で映画化した。
授賞式では、プレゼンターとして一般審査員代表の内山一文さんが登壇。「ありふれた日常の中の話で心が温まりました」と受賞理由を語り、同作品のプロデューサー・重松圭一さんに『海人賞グランプリ(観客賞)』の副賞であるシーサーを贈った。
続いて、審査委員長・釜山国際映画祭執行委員長のイ・ヨングァンさんが「審査員特別賞 ゴールデンシーサー賞」を発表。同じく『阪急電車』のタイトルが読み上げられると会場から大きな拍手が。再登壇した重松プロデューサーは「シーサーは2つあったほうが飾りやすいので、本当によかったです。世界の皆さんにも届くように頑張りたいと思います。本当にありがとうございます」と笑いを交えて2冠の喜びを語った。
また、セレモニー後に行われた囲み取材では、重松プロデューサーが「参加だけでもありがたいのに賞までいただけて光栄です」とコメント。主演の中谷が映画祭の趣旨に賛同し、「沖縄の人たちの笑顔で元気づけられた。その笑顔を私たちが伝えなければいけない」と語っていたことを明かした。また、今回のダブル受賞について「現状の日本に必要なCGや3Dや駆使した映画がたくさんあるなかで、ちょっとした奇跡を映画化したいと思った。今必要な身近な幸せ、足元にあるような小さな幸せを広げていこうという点を評価していただけたのではないか」と続けた。
最後に、重松プロデューサーは東日本大震災について触れ、「被災された皆さんの笑顔見たさに日本は1つになっています。この作品を観ることで笑顔になって、日本が強くなる小さなきっかけになればうれしいです」と被災地へエールを送った。【東京ウォーカー】