南極犬ぞり横断隊員が30周年に集結、「THINK SOUTH FOR THE NEXT シンポジウム」開催

東京ウォーカー(全国版)

1989年に出発した世界初の南極犬ぞり横断から30周年。11月10日、東京国際フォーラムで南極横断を振り返るイベント「THINK SOUTH FOR THE NEXT シンポジウム」が開催された。

シンポジウムに登壇した南極大陸横断国際隊のメンバー


1989年7月27日に出発した、犬ぞりによる初の南極大陸横断。日本の探検家・舟津圭三氏をはじめとする世界6カ国のメンバー6人からなる南極大陸横断国際隊は、7カ月をかけ約6000kmを踏破。1990年3月3日に全員がゴールした。

世界6カ国のメンバーにより行われた世界初の南極犬ぞり横断


出発から30周年の今年、当時隊員らが考え世界に発信した現代社会の問題に改めて注目し、次世代へ継承していこうというプロジェクト「THINK SOUTH FOR THE NEXT」がスタート。同プロジェクトの一環である今回のシンポジウムでは、南極大陸横断を振り返るドキュメンタリー映画『Trans-Antarctica Expedition(トランスアンタークティカ エクスペディション)』が日本初上映された。また、急遽欠席となったジャン・ルイ=エティエンヌ氏を除く当時の隊員5名によるトークセッションが行われ、各隊員からは南極横断の舞台裏や、「THINK SOUTH FOR THE NEXT」プロジェクトへの想いについてなどが語られた。そのほか、会場には隊員の日記や当時の装備なども展示された。

【写真】横断隊隊員の日記や装備品も展示された


また、シンポジウムに先駆けて行われた記者発表会では、南極大陸横断国際隊一同による東京宣言2019が提唱された。同宣言では、二酸化炭素排出をはじめとする環境問題に対する危機感を表明するとともに、こうした問題に取り組む次世代の若者たちへのエールが送られた。

舟津圭三氏は記者発表会で「30年前はあまり叫ばれていなかった地球温暖化が今、気候変動という形で地球に大きな影響をおよぼしている時代になっている。この時点で人類が一つとなって大きな課題を解決していかないといけないということを次世代にアピールしたい」と抱負を述べた。

国分洋平

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