東日本大震災を受け、各地でチャリティ活動が広がっているが、ラーメンファンの間で話題となっているのが、人気店の“チャリティラーメン”だ。被災地救援のため、各店が続々と“渾身の一杯”を提供しているが、3月30日(水)には、なんと名古屋コーチンやフォアグラを使った“究極のチャリティラーメン”が登場。ラーメンファンが行列を作った。
これは、有名店3店の店主のコラボによって誕生したメニュー。「中華蕎麦 とみ田」店主・富田さんと「麺屋 一燈(いっとう)」店主の坂本さん、「○寅 寺田町本店」店長・小川さんがそれぞれの得意分野を合体させて作り上げた一杯だ。
まず目を引くのは、キラキラ輝く澄み切った清湯塩味スープ。これは「麺屋 一燈」の坂本さんによるもので、高価な名古屋コーチンの丸鶏のみで取ったこだわりのスープだ。
麺を提供するのは「中華蕎麦 とみ田」の冨田さん。「三重県地粉 にしのかおり」「石臼引き粉」「北海道ホクシン系粉」をブレンドした特製麺は、風味がよく、優雅なたたずまいだ。そしてトッピングには、カリカリに焼かれた豚バラロールが。さらに圧巻は“フォアグラ”!! 同じく坂本さんがフレンチ出身の経験を生かして1つ1つ調理したもので、こだわりまくりの素材を使い、丁寧な調理で作り上げた、まさに逸品なのだ。
記者も実際食べてみたが、なんといっても秀逸なのは、表面をこんがり焼かれたフォアグラ!! 口に入れた瞬間、あっという間にトロットロに。しかも、名古屋コーチンを使ったあっさり系のスープと相性抜群で、濃厚なフォアグラが引き立てられる印象だ。さらに風味のいい細麺とトッピングの豚バラロールも、主張しすぎず良いアクセントとなっており、“フォアグラ×ラーメン”という超豪華コラボ麺を、記者は惜しげもなく(?)、あっという間に完食してしまった。
「ガンバレ日本」(1杯1000円)と名付けられたこのラーメンは、3月30日(水)に東京・水道橋の人気ラーメン店「旨辛ラーメン 表裏」で販売され、超人気店のコラボというだけあって、オープン前の10時ごろには、情報を聞きつけた“ラーメンファン”20人ほどが既に行列を作っていた。もちろん、“チャリティ”の名に恥じず、売上は全額被災地に寄付されるとのこと。「こういう時にこそ、普段は味わえない特別なメニューを食べて欲しい!」(坂本さん)という意気込みで、材料はそれぞれの店主が自前で持ち寄って作ったというのだから、男たちの熱い想いが伝わってくる一杯なのだ。
また、このフォアグラ入り“チャリティラーメン”は30日(水)のみの提供だが、4月2日(土)までは日替わりで、様々な有名店の店主がコラボした“チャリティラーメン”が提供される予定。このほかにも、店主自ら被災地に訪れ炊き出しを行うなど、ラーメン界では続々と“支援の輪”が広がっている。店主が熱い“漢(おとこ)”の多いラーメン界では、まだまだ被災地支援に向けた動きが続きそうだ。【東京ウォーカー】