1983年に産声をあげた「サントリー1万人の第九」。その名の通り1万人がベートーヴェンの「第九」を大合唱する、巨大スケールのコンサートである。今年で第37回を迎え、8月から全国42か所でレッスンを実施。いよいよ近づく12月1日(日)の本番に向けて、総監督・指揮者の佐渡裕さんによる集大成のレッスンが開かれた。
佐渡さんによるレッスン、通称「佐渡練」は11月下旬に近畿で4回、東京で1回開催。各回1000人規模の歌い手が集まり、佐渡さんが直接合唱を指導する。佐渡練の最終日となった11月26日、レッスン会場となった兵庫県尼崎市のあましんアルカイックホールには子供から大人まで1800人の参加者が集結した。
「サントリー1万人の第九」に想いを乗せて。大切なのは“言葉の意味を理解して歌うこと”。
約1時間半に渡るレッスンでは、佐渡総監督はじめ参加者達はまさに真剣そのもの。参加者達の歌声を聴きながら佐渡総監督は各小節を細かくチェック。本番までに作りたい音楽の方向性を調整し、直接指導をした。特に佐渡総監督が強調して伝えたのは“歌詞の持つ意味を理解する”ということ。
「単に歌うのではありません。歌詞に込められた意味を一人ひとりが理解して、歌声に想いを乗せてください。第九を通じて人との繋がりを深く感じて、大阪城ホールから世界へ歌声を届けましょう」と佐渡さんの言葉を受け、参加者達は手をつなぎ、肩を組みながらレッスンを行った。
顔の表情、体の動き、指先にまで想いを込めて指揮をする佐渡さん。その姿から溢れ出る情熱は参加者にも伝わり、レッスンを繰り返すごとに力強いコーラスがホール全体に響き渡った。レッスンを終え最後に佐渡さんは「令和1年目の第九でもあります。良いコーラスになることは間違いありません。12月1日、大阪城ホールで一緒に『音の神殿』を作りましょう!」と参加者にエールを送った。
佐渡練最終日には当日の司会を務める毎日放送の河田アナウンサーも応援に駆けつけた。「今日は1800人の歌声を聞いて本当に感動しました。透き通るようで、時に弾むようで、そしてパワフルで。本番は1万人の歌声が聴けるのを楽しみにしています。皆さんと力を合わせて成功させたいと思いますので宜しくお願いします!」とコメントした。
大阪から世界を繋ぐ大コーラス「サントリー1万人の第九」はいよいよ本番!
1人では成し得ない1万人での大合唱を実現するため今一度、ベートーヴェンが「第九」に込めた祈りをかみ締め、未来に歌い継ぐ「サントリー1万人の第九」。1983年より始まり、今年は令和初開催となる第37回。昭和から平成、そして令和へ。時代を、人を、世界を繋ぐ大コーラスはもうすぐだ。
■サントリー1万人の第九
期間:2019年12月1日(日)15:00〜
会場:大阪城ホール
住所:大阪市中央区大阪城3-1
12月1日に15時10分頃~ 「サントリー1万人の第九」を全編ライブ配信します。
ライブ配信情報:https://www.mbs.jp/daiku/
村井 貴臣