コーヒーはあらゆる場所や人、そしてカルチャーと相性のいい懐の深い飲み物。近ごろ気になる、コーヒー+αが魅力のショップを紹介する。今回は、「COFFEE × Book」。
海辺の町まで少し足を延ばして。本を片手にコーヒーブレイク「Sleep Coffee and Roaster / ナツメ書店」
心地よい潮風が吹く築100年の時計店を改装し、夫の奥 雄祐さんがコーヒースタンドを、妻の由美子さんが書店を営む。コーヒーは生豆を50℃洗いしたのち手廻しで自家焙煎。排気をしながら焼くため、手廻し独特のスモーキーさがなくクリアな味に仕上がる。奥の「ナツメ書店」は新刊と古本を織り交ぜて販売。詩集やリトルプレス、小さな出版社も充実し、本に出会う楽しみがある。福岡市内にありながらも小旅行の気分が味わえるオアシスだ。
「本日のコーヒー」(写真右、500円・税込)は、コスタリカのストレートだがブレンドのような奥深い味わい。パンも国産小麦使用の自家製でミニチュアサイズの「食パン」(写真左、100円・税込)が人気。スパイスを効かせた「ジンジャーシロップ」(850円・税込)も販売する。
[Sleep Coffee and Roaster / ナツメ書店]福岡県福岡市東区西戸崎1-6-21 / 電話なし / 12:00〜19:00 / 水曜・木曜休み
久留米の文化サロンのような空間で読書にふける「琥珀亭」
古本屋と見まごうほどいたる所に積まれた本や雑誌の山。創業43年の「琥珀亭」は今でいうブックカフェの先駆けともいえる店だろう。店主の石川さんは映画・音楽の知識はもちろんのこと、小説を書き、50代からは波乗りも始めたという趣味人。その人生を謳歌する達人を慕う若者も多い。店では12年間で110回も落語会を開き(2017年で終了)、年1回クラシックのコンサートも開催。土曜の夜は各自が持ち寄ったカルチャーについて自由に話す座談会も開くので、のぞいてみたい。
[琥珀亭(こはくてい)]福岡県久留米市津福本町62 / 0942-38-0570 / 12:30~20:00、土曜~21:00、日曜・連休の最終日~19:00 / 火曜休み、不定休
九州ウォーカー編集部