東北・関東に甚大な被害をもたらした東日本大震災。大手衣料品店が防寒衣料を寄付するなど、義援金以外にもさまざまな支援物資が提供されるなか、「ファンケル」や「日本ケロッグ」はサプリメントや健康食品を提供し、心身の疾病を防ぐことに一役かっているという。
東日本大震災を受け、化粧品や健康食品を扱うメーカー「ファンケル」は、被災地への支援として、自社製品の食料などの他に、ビタミン類のサプリメント約4000点を管理栄養士などを介して送付。同社広報は、「感染症、風邪予防、偏った食事や体力が落ちた時にお役立ていただきたいと思い、必要なサプリをお送りしました」と、サプリ提供の経緯を話す。
また、シリアル食品の製造、輸入を行う「日本ケロッグ」は、ビタミンやミネラルを含むシリアルスナック22万800食分を、各関係省庁や各自治体、自衛隊などと連携して被災地へ輸送。同社広報も「シリアルはそのまま食べることができる上に、約1年間保存できます。栄養バランスに優れているので、被災地に適した食品だと思って提供いたしました」と思いを明かした。
実は、このサプリやシリアルは、人の体に大切なもの。そもそも被災地ではビタミンやミネラルの欠乏症になりやすく、「それらが不足すると、循環器系、免疫系など全身のネットワーク系の停滞につながり、“ウツ傾向”や“感染症”“血栓症”、さまざまな“臓器の機能低下”を招く可能性もあるんです」と、総合医療や予防医療にも詳しい稲毛病院の佐藤務先生は警鐘を鳴らしている。
基本的には、「おかゆやおにぎりなど、“ご飯”を食べることが重要」だそうだが、ビタミンやミネラルの不足を感じたら、「シリアルなどの総合栄養補助食品を一時的に利用するのも良い」と先生。サプリでは、「“マルチビタミン”や“ミネラル”をバランス良く摂り入れてください」と話している。
被災地では、栄養失調だけでなく、それに伴うさまざまな心身の疾病という“2次災害”を防ぐことも重要な課題。必要性が唱えられているサプリや健康食品が、現地で頑張る人々に良い効果をもたらすことを願いたい。 【東京ウォーカー】