12月20日(金)に『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開。これに合わせ来日したヒロイン、レイ役のデイジー・リドリーにインタビュー。彼女がある質問で、黙り込んでしまった理由とは?新作の“鍵”となる部分について聞いてみた。
世界中で愛され続ける人気シリーズの続3部作第1弾、7作目となる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)でレイ役に大抜てきされた若手女優デイジー。大作に起用されるだけあって、新人とは思えぬ肝っ玉の大きさを見せており、「撮影現場は最高で、私は楽しく撮影に入っていけた」と振り返る。そして、「このサーガが終わってしまうことにさみしさはあります」と名残惜しそうな表情に。そんな彼女に、まず、完成作品を観た感想を聞いてみると…。
■レイの出生の秘密は…「クールですよ」(デイジー)
【デイジー】もう、最悪!というのは嘘で(笑)。想像していたよりも笑える、ユーモアあふれる作品になっていました。レイにはダークなことが待ち受けている…と、最初は身構えて入ったのですが、現場は笑ってしまうこともあったくらい、喜びにあふれたもので。もちろん物語的にはエモーショナルで、視覚的にはゴージャスで。全ての人が、少なくとも何か一つの魅力を感じる作品になっていると思います。
既に撮影現場で満足感を持っていたので、完成作品を前にしたときもプレッシャーは軽めで、気楽に観ることができましたし、観終わった後も予想以上の出来だと感じました。
――レイの出生の秘密が明かされるそうですが、脚本を読んだときの感想はいかがでしたか?
【デイジー】本当に驚きました。その理由はネタバレになるので皆さんにいえませんが…。ただ私は「レイがどこからきたのか」ということよりも、むしろ「今どこを選んだのか」ということが重要だと思っています。どんな家族を選んで、どの場所にいるのか、ということが大切。とはいえ、「レイの両親は誰か」と、皆さんがワクワクしている事柄の中心にいるのは楽しいです。今回明かされる答えは結構クールですよ(笑)。
■レイが“赤いライトセーバーを持つ理由”にデイジー沈黙…「楽しかった」
――これもネタバレになりそうなので答えにくいかもしれないのですが、予告映像でレイが赤いライトセイーバーを持っていたことが話題になっています。それは重要なキーワードとなりそうでしょうか?
【デイジー】難しい質問をぶつけてきたわね(笑)。……(しばし沈黙)。でも重要なので、その質問はGoodよ!レイというライトサイドの力を持ったキャラクターは、もちろん複雑な部分はあるんですけど、演じるのは楽しいことでした。でも、ときには闇の者を演じるのも楽しいのよね…、とだけいっておきましょうか(笑)。
――レイというキャラクターは、女優としてのあなたに何をもたらしましたか?また、あなただからこそレイに与えられたものは何だと思いますか?
【デイジー】実は、自分がどこから始まって、レイはどこから始まるのか、その境を見極めるのが難しくなっています。だた、私はレイのように世界の運命を背負っているわけではないので、彼女ほどヒロイックでなければならないということはないですが…。私は何かをするとき常に100%の力でぶつかっていく性格なのですが、それがレイのキャラクターに反映されているということはあるかもしれません。
――レイを演じることに重みを感じますか?
【デイジー】それはあまりないです。レイは衣装さんやヘアメイクさん、脚本など、本当にたくさんの方の力があって作られているキャラクターで、皆でこの美しい“責任”を分かち合っているので。
――前作で、レイとカイロ・レンが通じ合っているようなシーンがありましたが、ふたりは今回どのように関わり合うのでしょうか?
【デイジー】確かにふたりにはつながりがあります。実は今朝、J・J(エイブラムス監督)にこの質問にどう答えたらいいか聞いていたんですが、レイとカイロ・レンは影と光、陰陽の関係だといっていました。どんな闇にも少しの光があり、どんな光にも少しの闇がある。だからこそお互い、自分のもうひとつの側面を象徴している人物に惹かれるのだ、と。
私としては、(カイロ・レン役の)アダム・ドライバーは素晴らしい役者なので、そういった関係を演じるのは喜びでした。カイロ・レンは悪だし、見ている方はレイに闇落ちしてほしくないと思うんでしょうけど、私は、このふたりの関係性は魅力的なもので、ワクワクするものだと思いました。今作でカイロ・レンはかなりダークな道のりをたどるのですが、レイが果たしてダークサイドへ落ちてしまうのか…は、見てのお楽しみ(笑)。
――来日記者会見では、J.J.エイブラムス監督が「リキャストでもなく、CGでもなく、キャリー・フィッシャーさん(『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』撮影後に急逝)をナチュラルな形で登場させることが重要だった」と話されていましたが、デイジーさんは、そのキャリーさんとの出演シーンで思い出に残っていることはありますか?
【デイジー】彼女が私にいってくれた言葉は、残念ながら悪い言葉(スラング)なので、記事にできないと思います(笑)。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で彼女と初めてハグをしたとき、とても優しくてエモーショナルなシーンだったけれど、彼女は私の耳元で「こんなにクソ長いハグは初めてだわ」「世界で最も〇〇なハグ」っていったんです。このシーンでそんなことをいってしまうというのが、すごくキャリーらしい瞬間だったと思います。
本作では、時代の寵児となったJ.J.エイブラムスが再び監督を務め、スカイウォーカー家を中心とした壮大な物語に幕を下ろす。祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継ぎ、銀河の圧倒的支配者となったカイロ・レン。伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの想いを引き継ぎ、わずかな同志たちと立ち上がるレイ。1977年から42年にわたって描かれてきたこの歴史的大作の結末はどのように描かれるのか。“光と闇”のフォースをめぐる最終決戦を見届けよう。
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取材・文/平井 あゆみ