NMB48の「谷川愛梨 卒業コンサート~あなたは私の太陽でした~」が12月19日、Zepp Nambaで行われた。
思い出のユニット曲を披露!
谷川は2011年6月に2期生として加入(当時15歳)。NMB48の中心メンバーとして活動を続けてきた彼女のアイドルとしての最後の晴れ舞台を見届けようと、会場は満員のファンで埋め尽くされた。
18時35分開演。ステージの幕が開くと、NMB48のメンバー全員で4曲続けて圧巻のパフォーマンス。そのセンターで谷川のポニーテールが揺れ、笑顔が弾ける。
「今日は元気に明るくハッピーな最高のコンサートにしたいと思っています。私がやりたいことを全て詰め込んだので、一瞬も目をそらさないで観て下さい!」と意気込みを語った後、『Glory days』、『愛しきナターシャ』、『スカート、ひらり』など、思い出のユニット曲を豊かな表現力で披露。
続いて谷川は、カメラを彼氏目線に見立てた“デートムービー”で、彼女感あふれるキュートな女子を演じ、そのストーリーに沿った選曲で魅了していく。村瀬紗英・川上千尋・山本彩加とのTORACOメンバーで披露した『初恋の行方とプレイボール』の曲中には、それぞれがサインボールをトスバッティングする演出も!
「百合劇場」が復活!百花がサプライズで登場!
そして、谷川が自ら脚本・演出・主演を務める「百合劇場」がスタート。谷川は夢を叶えるために旅立つ男子を熱演。同窓会という舞台設定で、親友役の石塚朱莉と“あいつ”を待つも現れず、3人の大切な曲『奇跡は間に合わない』を2人で歌い始める。そこへ、「お待たせ!」と、卒業生の百花(現役時は木下百花)がサプライズで登場!2014年5月から16年12月にかけて、チームM「RESET公演」で披露していた同曲のユニットの復活に大歓声が上がる。
パフォーマンス後、「用事を思い出したわ。あとはおふたりで」と、颯爽と去っていく石塚。
谷川「俺は、百花がいなくなってから、心にぽっかり穴が開いたっていうか…。いや、わかってるんだ。本当は、ずっとずっと前から、俺は、百花のことを…」
百花「やめろよ!俺のことなんて、ずっと忘れてたくせに…」
谷川「百花…」
百花「俺はなぁ、ずっと愛梨のことが好きだったんだよ!」
お互いの本音を伝えると、『プライオリティー』(木下百花ソロ曲)を2人で披露!百合劇場は、ハッピーエンドで幕を閉じた。
「私が卒業する時は百花を呼びたいって決めていたんです。それが叶って嬉しい!」と、喜びを爆発させる谷川。百花も「私も愛梨のこと、ずっと好きだったし…」と、芝居が終わってもラブラブな2人だった。
終盤は、『ナギイチ』(谷川の初選抜曲)、『僕らのユリイカ』、『初恋至上主義』のシングル3曲を披露。『初恋~』では、「超絶かわいい!あいり~!」コールが大きく響き渡る。本編ラストは『夕陽を見ているか?』。イントロに乗せて、谷川が「8年半見せて下さった素敵な景色を、私は絶対に忘れません。私のことを見つけてくれて、本当にありがとう!」と、ファンに感謝の気持ちを伝え、全員で『夕陽を~』を熱唱した。サビの部分で、谷川を取り囲む形で歌うメンバー。後ろを振り返り、一人一人とアイコンタクトを取る谷川の姿に、胸を打たれた。
向日葵(ひまわり)のドレスで卒業スピーチ
アンコールで、谷川は黄色いドレスで登場。「私が向日葵のドレスが着たいですって、衣装さんにお願いしたら、こんなに素敵なドレスを作っていただきました。私は本当に向日葵が大好きで、見ているだけで元気になれて、笑顔になれて、心もポカポカにしてくれる花だと思うんです。私も向日葵のような温かい人になりたいなって思うようになりました。
私の存在がファンの皆さんやNMB48を少しでも明るく出来ていたら嬉しいです。私にとって、ファンの皆さんは太陽のような存在で、いつも優しく、温かく、私のことを照らしてくれるから、私はどんな時も上だけを見て、まっすぐ頑張れました。
向日葵が、太陽がないと咲けないように、私は皆さんがいないと輝くことが出来ないです。だからこうして8年半、私に光をくれて、照らし続けて下さったことに、本当に感謝しています。
私はアイドルをやりきったと思った時に卒業しようと決めていました。それが今のタイミングでした。卒業発表をする何日か前に、卒業しますって、元キャプテンの山本彩さんに連絡しました。<ここまでよく頑張ったね>って、返事が来て、私は涙が止まらなくなりました。
8年半の出来事が走馬灯のように甦ってきて、嬉しかったことや、楽しかったことばかりじゃなくて、辛いことも、悔しくて泣いたこともたくさんあって、アイドルって、こんなにもしんどいんやって、挫けそうになったこともありました。
だけど、全ての出来事が私を強くしてくれて、成長させてくれたんだなって思うと、何ひとつとして無駄なことなんてなかったんだなって思います。今、ここからファンの皆さんのことを見ていると、本当に夢を見ているような不思議な感覚になります。
NMB48を卒業した瞬間に、この長い夢から覚めてしまうのかなって。こんなにも素敵な夢なら、一生覚めなければいいのになぁって、大好きなファンの皆さんと、大好きなメンバーのみんなと、まだまだ一緒に夢を見ていたいなって思ってしまうのも正直な気持ちです。そう思わせてくれるグループって本当にすごいなって思うんです。
NMB48は最高のグループだと思います。私はNMB48が大好きです。NMB48は私の青春でした。私の人生を変えてくれたNMB48、そしてNMB48を通して出会えた全ての皆さんに、心から感謝しています。ありがとうございます!」
そして、「今の私の気持ちにぴったりなこの歌を歌わせて下さい」と、『みんな大好き』をソロで歌い上げた。黄色いサイリウム一色に染まった会場は、向日葵畑のようだった。
続いて、全員で『向日葵』を披露。後方のメンバーたちは、ポンポンを持って、「AIRI」、「LOVE」などの文字を作り、谷川への愛を届ける。谷川に向日葵の花束を手渡した、同期の村瀬の目には涙。「ちょっと目にゴミが入っただけ」(村瀬)であるはずがない。
谷川は「アイドルの私はもう終わってしまうけど、皆さんの心の中で生き続けてくれるって信じています!」と語り、『ずっとずっと』を笑顔で披露。ステージの幕が閉まり、アンコールは終了。
Wアンコールに応えて再び幕が開くと、最後は『青春のラップタイム』!谷川は、次々と隣にやって来るメンバーと抱き合うなど、アイドルとしての残りわずかな時間を精一杯楽しんだ(渋谷凪咲は谷川の頬にキスしていた)。「もう私は何もやり残したことはありません。これから一人になるんですけど、皆さんをたくさん笑顔に出来るように、メンバーの道標になれるように、もっともっと努力していきます。やっぱり皆さんは私の太陽でした。これからも私のことを照らし続けて下さい。8年半、本当にありがとうございました!また会いましょう!」と、ラストメッセージ。あいりコールに包まれて、約2時間半のコンサートは幕を閉じた。
谷川愛梨について、NMB48のメンバーは「愛梨はムードメーカー。愛梨がいる時といない時の雰囲気が全然違う」、「優しい!一人でいるメンバーに必ず声をかけてくれる」などと、声を揃える。彼女は「皆さんは私の太陽」と言うが、我々からすれば「谷川愛梨は私たちの太陽」だ。
今後は舞台女優を中心に、声優やナレーター、大好きな野球関連の仕事など、「いろいろ挑戦したいです。一度きりの人生だから」と語っていた谷川のマルチな活躍に期待したい。誰からも愛される彼女ならきっと大丈夫。2020年からも最高の笑顔を届けてくれるはずだ。
◆NMB48谷川愛梨 卒業コンサート~あなたは私の太陽でした~ セットリスト
overture
M1 ウッホ ウッホホ
M2 みなさんもご一緒に
M3 届かなそうで届くもの
M4 難波愛
~MC
M5 Glory days
M6 僕がもう少し大胆なら
M7 愛しきナターシャ
M8 右へ曲がれ
M9 スカート、ひらり
~MC
映像(デートムービー1)
M10 スキャンダラスに行こう!
映像(デートムービー2)
M11 初恋の行方とプレイボール
映像(デートムービー3)
M12 10クローネとパン
~MC
百合劇場(M15まで前後で芝居)
M13 ごめん 愛せないんだ
M14 奇跡は間に合わない
M15 プライオリティー
~MC
M16 目撃者
M17 美しき者
M18 RESET
M19 夏の催眠術
M20 PARTYが始まるよ
M21 ナギイチ
M22 僕らのユリイカ
M23 初恋至上主義
~MC
M24 夕陽を見ているか?
<アンコール>
映像
M25 みんな大好き
M26 向日葵
~MC
M27 ずっとずっと
<Wアンコール>
M28 青春のラップタイム
【取材・文=ポッター平井】
<ポッター平井・プロフィール>
構成作家・ライター。MBSラジオ『NMB48のTEPPENラジオ』などを担当。松田聖子さんの“輝き”に魅せられて以来、30年以上アイドルを応援し続けるアイドル・サポーター。
ポッター平井