ラーメン首都・東京の人気店は近年、すっと澄んだスープで旨さが際立つ白淡麗に注目。タレに白ダシやオリジナル醤油などを使った、「白」にこだわったラーメンが続々と登場している。”白淡麗元年”ともいえるほど増え続ける、都内の白淡麗の店をまとめて紹介。<※情報はラーメンWalker東京2020より>
「キング製麺」(王子・王子駅前)/2019年3月23日オープン
「らぁめん小池」のサードブランド。2号店である「中華蕎麦にし乃」の中華そばをベースに、自家製麺・白だしという要素を加えた一杯で勝負する。複数の魚介の旨味をかけ合わせたスープは驚くほど滋味深い。同店の白淡麗は兵庫県「ヒガシマル醤油」の白醤油をメインに、薄口醤油、いしり(魚醤)などをブレンドして醤油ダレに使用。琥珀色の白醤油によって透明なスープを実現させた。
おすすめの一杯は「全部入りワンタン麺(白だし)」(1140円)。煮干しと昆布の魚介スープ、カツオ節主体のダシ、アサリエキスの3種類を提供直前にブレンド。麺は130グラムか180グラムどちらか選んで注文できる。山椒のしびれではなく、香りを重視した「山椒ラーメン」(800円)もおすすめ。高知県産の山椒を使い、風味良く仕上げた。赤山椒の香りを移した仕上げ油もポイントだ。
<住所:北区王子本町1-14-1 高崎ビル1F / 時間:11:00〜15:00(LO)、17:30〜20:30(LO) / 休み:月曜・木曜>
「中華そば 六感堂(ろっかんどう)」(池袋)/2019年3月30日オープン
池袋駅東口の「麺屋 六感堂 Rock’anDO」のセカンドブランド。テーマは“昔懐かしい中華そば”で、白と黒の2種から選べる。本店は自家製麺も自慢だが、こちらは地元・池袋の老舗製麺所にレシピごと特注。白淡麗は鶏・豚・魚介の清湯(チンタン)に白専用の醤油ダレを合わせている。濃口醤油を使ったチャーシューの煮汁がベースで、甘味があるのも特徴。
「中華そば 白」(680円)がおすすめ。スープはほんのり甘味があり、優しい味わいで、炙りチャーシューの脂がコクをプラス。麺は平打ちの手もみ麺と細麺から選べる。このほか、「中華そば 黒」(680円)もおすすめ。魚介不使用の豚・鶏清湯に、たまり醤油がベースの黒醤油ダレを合わせることで、醤油の芳醇な香りとキレが際立つ一杯に仕上げている。
<住所:豊島区池袋2-23-5 サンフェニックス山田1F / 時間:11:30〜15:00、18:00〜22:00(各LO)※材料がなくなり次第終了 / 休み:不定>
「らーめん専門 Chu-Ru-Ri(ちゅるり)」(十条)/2019年1月29日オープン
「銀座鴨そば 九代目けいすけ」(東銀座)など「けいすけ」グループで活躍した店主が独立。修業時代に限定メニュー用に考案した牛骨スープをブラッシュアップ。塩や醤油(800円)、MAZE油そば(880円)など多彩なメニューがそろう。白淡麗はにごりのない黄金の牛骨スープ。牛のゲンコツと香味野菜のみを強火で一気に炊いて、旨味を抽出する。透き通った清湯はあっさりだが奥深い。
おすすめは「芳醇塩らーめん 味玉付き」(900円)。牛特有の甘味を引き出すため、塩ダレは海塩1種のみとシンプル。エシャロットオイルで香りとコク、レモンピールで清涼感を加えている。このほか「濃厚魚介牛骨つけ麺」(850円)もおすすめ。牛骨に節系を効かせたパンチのある味わいで、サラリとしているがモッチリの太平打ち麺としっかり絡む。
<住所:北区上十条3-9-7 / 時間:11:00〜15:00、17:30〜21:00(各LO) / 休み:なし>
「らぁ麺 いしばし」(南阿佐ケ谷)/2019年1月15日 OPEN
中華の料理人だった店主の石毛さんは、ここ数年で200軒以上を食べ歩いたラ―メンマニア。特に淡麗系の鶏清湯に魅せられ、店を出すまでに至った。山梨・信玄どり、岩手・あべどり、北海道・新得地鶏の3種を使い分け、スープ・鶏油(チーユ)を仕上げている。白淡麗のスープは旨味の強い信玄どりの鶏ガラと丸鶏が中心。ミネラルバランスのよい非イオン水「π(パイ)ウォーター」で炊いている。
おすすめは「味玉塩らぁ麺」(890円)。塩ダレにはゲランド塩など3種を配合し、鶏の旨味をまろやかに包む。麺は全粒粉入りで小麦の味が豊か。鶏チャーシューはモモとムネの2種を用意する。このほか、通常のスープを追い炊きして濃厚にした「鶏白湯(パイタン)つけ麺」(890円)もおすすめ。醤油ダレはオイスターソースが隠し味で、独特の甘味と酸味がある。
<住所:杉並区阿佐谷南1-32-8 / 時間:11:30〜22:00(LO)※スープがなくなり次第終了 / 休み:なし>
「麺処 若武者 ASAKUSA」(浅草/つくばエクスプレス)/2019年7月8日オープン
「ラ―メンWalkerGP福島」の総合部門で2年連続1位(2014・2015年)を獲得し、殿堂入りを果たした名店。その関東唯一の分店が埼玉・草加から移転!会津地鶏や会津山塩、喜多方の醤油など、福島の恵みが詰まったメニューがそろう。白淡麗は温泉水を薪窯で煮詰めて作る会津山塩を使用。そこにシジミやハマグリ、アサリなど6種の貝エキスを合わせたタレが味の決め手だ。
おすすめは「会津山塩物語」(750円)。会津地鶏の上品な旨味のあとをさまざまな貝が追いかけてくる。福島の製麺所に特注した麺は加水率50パーセントと、プルプルの食感がたまらない一杯だ。バターのようなコクがある「濃厚福島鶏白湯(パイタン)」(950円)もおすすめ。会津地鶏、川俣シャモ、伊達鶏の濃厚スープは旨味とコラーゲンがたっぷりだ。
<住所:台東区西浅草2-27-12 / 時間:11:00〜翌4:00(LO) / 休み:なし>
「麺道わがまんま」(金町・京成金町)/2019年6月21日オープン
千葉県鎌ケ谷市にあった「麺道我飯(わがまんま)」が移転。店主はラーメン王・石神秀幸さんが主宰する「食の道場」でラーメン作りを学んだ。以前は豚骨ラーメンがウリだったが、移転を機にメニューも一新し、現在は淡麗系の塩と醤油の二本柱で勝負。白淡麗は鶏・豚清湯(チンタン)に塩ダレを合わせたもの。オーストラリアの天日塩に白醤油などを加えたまろやかな味わいに、ホタテ油でコクをプラスしている。
おすすめは「ホタテとチーズの麺道旨塩らーめん」(780円)。スープはあっさりだが、中央のホタテとチーズのフレークが溶け出すと味が変化。旨味が増すだけでなく、フレークのコリッとした食感も楽しい。また、ポルチーニペーストを溶かして味わう「ポルチーニ香る我飯醤油らーめん」(800円)もおすすめ。シメジとエリンギのガーリックソテーが相性抜群だ。
<住所:葛飾区東金町1-39-1 グリーンハイツ金町1F / 時間:11:30〜14:30、17:30〜22:00(各LO)※スープがなくなり次第終了 / 休み:火曜(祝日の場合は営業)>
「寿製麺(ことぶきせいめん) よしかわ 西台駅前店」(西台)/2018年11月21日オープン
埼玉で3店舗を展開する「中華そば よしかわ」が東京に進出。煮干しそばが看板メニューで、白醤油と黒醤油(750円)から選べる。店主は割烹出身で、魚の目利きには自信あり。ブリやキンメダイなどを贅沢に使った鮮魚系も見逃せない。同店の白淡麗は、醤油ダレには白醤油をベースにみりんや煮干しのエキスなどを配合。店主が割烹時代に習得した白ダシをアレンジしている。
おすすめの一杯は「煮干しそば 白醤油」(750円)。千葉など産地の異なる4種のカタクチイワシを使用。煮干しの風味はしっかりだが、クセがなく飲みやすい。パツパツと歯切れがよい中細麺とマッチする。このほか、「金目鯛のつけそば」(1200円)もおすすめ。つけ汁はキンメダイの旨味を凝縮。シメはご飯にかけて鯛茶漬けに。西台駅前店限定なので、この店を訪れたならぜひ味わいたい。
<住所:板橋区蓮根3-8-14 / 時間:11:00〜22:00、土日・祝日〜20:00(各LO)※スープがなくなり次第終了 / 休み:なし>
東京発の店だけでなく、埼玉や千葉の人気店も襲来。地鶏や煮干しの王道系、さらにはホタテ&チーズの独創系と、個性豊かな白淡麗スープは必食だ。このほかにも白淡麗元年と呼ぶに相応しく、白淡麗を提供する店が増加。さまざまな店で白淡麗を味わって、お気に入りの一杯を探そう。
※表記価格は消費税8%時の税込価格となります。2020年1月現在、消費税率が10%に変更され、税込価格が変更となっておりますのでご注意ください。
ウォーカープラス編集部