「温泉に行ったつもりでスーパー銭湯」「旅行に行ったつもりで高速SA」など、できるだけ出費を抑えて楽しもうとする“つもり消費”が話題だ。そんな中でも特に需要が増えているのがブランドバッグのレンタルだという。
インターネットでブランドバッグのレンタル事業を行う「ORB(オーブ)」では、年間の会員数が1000人程度だったところ、今年の9〜11月の3か月間だけで500人も増加した。しかも、人気なのはパーティー用ではなく、普段使い用だというから驚きだ。一体、日常使うバッグをレンタルする魅力はどこにあるのだろうか? 「ORB」の代表、石井さんに聞いてみた。
「1番は値段でしょうか。買えば10万もするブランドバッグが1か月9800円で借りられるし、その間は、交換し放題ですから。1カ月コースご利用の方が全体の8割を占めるほどです。ブランドで言うと一番人気は、『ロエベ』。もちろん『シャネル』や『エルメス』、『ブラダ』や『グッチ』なども不動の人気がありますね」
たしかに、シャネルやグッチを月々9800円で使いたい放題と聞くと、女性なら誰でも興味をそそられてしまう。とはいえ、毎日使うバッグを“レンタル”する人ってどんな人なの?
「会社員の方5割、主婦の方5割ですね。今まで年間1〜2個ブランドバッグを買っていたOLの方が、この景気でレンタルしはじめたようです。また家計に負担のない範囲でオシャレを楽しみたい主婦の方も多いですよ。徐々にビジネス自体が認知されてきており、今では40〜60代のお客様も増えました。それに伴いラインナップも少しずつ変化しています」(同)
景気に合わせつつも、オシャレを維持する女性のたくましさが見え隠れする「レンタルバッグニーズ」。同店は今後、需要を見ながら男性用バッグやアクセサリーなどの展開も考えているそう。必要な時だけお金をかけずに着飾る、という“賢さ”がこれからのキーワードなのかもしれない。 【Walkerplus/安藤真梨】