「年越しの初詣に、どのくらい時間がかかる?」年越しの直後に都心の寺社で参拝するには、通説で3〜4時間といわれる。記者は大晦日に明治神宮に向かい、実際の様子を追った。
ご存じ明治神宮は、三元日中に317万人が訪れる日本一の初詣スポット。31日23:00過ぎに最寄りの原宿駅に到着した頃には、すでに人で溢れ返っていた。人ごみを掻き分け本殿の方へ進むが、23:30の時点で行き止まりになる。あまりの人の多さゆえか、やはり本殿は遠いようだ。
周りを見回して目にするのは、カップルや友人連れを中心とする若いカップルの姿。アジア系や欧米の人々も目立つ。「今までフィンランドなどいろんな国で年を越してきたけど、日本が一番文化の違いを感じる」とは、スペイン・アンダルシア地方から訪れた日本を旅行中の夫妻。意外にも、外国人は全体の2割ほどを占めていた。
23:55過ぎ、明治神宮から会場アナウンスがあり、「君が代」の斉唱を二度行うとの放送が入る。明治天皇を祭る場所柄か、音声つきで国歌が流れ、それに笑いながらも戸惑う若者の姿が多い。「二度続けて君が代が流れるのは、シュールだ」との声も聞こえた。
年越しの瞬間は、境内に備え付けの大型ビジョンで本殿の様子を眺めながら皆でカウントダウン。新年の訪れと共に、一斉に歓声が挙がった。ついに初詣が始まり、行列が少しずつ動きだす。警備が一度の参拝者数を制限しているため、特に混乱は見られない。
本殿に入り参拝できたのは0:40過ぎ。人数制限により、お賽銭をなげ込む本殿前では比較的動きに余裕がある。 お祈りをするだけでなく、記念撮影をする人々が多く見られた。
おみくじなどを見て、結局明治神宮を後にしたのは、1:10頃。到着してから参拝して出るまでに、約2時間ほどだった。これは一般に3〜4時間かかると考えられているのに比べ、短い。案外容易に、カウントダウン初詣は可能なようだ。
しかし、注意が必要なのは、「紅白歌合戦」などの視聴率の高い番組が終わった後の時間だ。家で一息ついた人々が一気に寺社に人がなだれ込むため、人の流れは爆発する。帰りがけ入り口をのぞいてみたが、記者が入った時間よりも人が溢れていた。いまからだと、参拝までに3時間以上かかると推測できた。
つまり、カウントダウンの初詣を計画する際、23:00過ぎに現場に到着できれば、余計な時間を食うことはない。楽しい相手がいれば、きっとハッピーな新年を初詣で迎えることができるだろう。【東京ウォーカー/中道圭吾】