1月20日、大阪・日本橋に新たなホテル「シタディーンなんば大阪」がグランドオープンした。国の有形文化財である髙島屋東別館をリノベーションした重厚でクラシックな建物に注目が集まるが、コンセプトの「デパートメントホテル」の名のとおり、デパートとホテルのコラボが楽しい、ゆっくり滞在したくなるホテルだ。そこで早速同ホテルに宿泊してきたので、レポートをお届けしたい。
建物は昭和初期の百貨店の姿を今に伝える歴史的建造物。堺筋に沿って続く11連のアーチや67メートルも続くアーケードが、当時の百貨店の位置づけを感じさせる。館内は随所に元の内装を生かしつつリノベーションし、モダンとレトロが一体となった雰囲気。
フロントの背後にはファッションアイテムのイラストと、本物の靴やバッグがレイアウトされ、さまざまなソファーやクッション、トルソーなどが置かれたロビーとともに、ワクワクするような雰囲気を演出する。
客室フロアもファブリックやイラストなどで楽しさを演出する。その一方でレトロ感あふれるエレベーターホールや、大理石の階段など、旧髙島屋東別館の雰囲気を引き継いだ建築が非日常を感じさせる。
客室には室内での超利用に、電子レンジやカトラリーなどを備える。部屋によってはキッチンやドラム形洗濯機などを完備するところも。
これは出張や一時帰国など長期滞在にも対応できるよう配慮されている。また、プラスチック削減のため客室にはペットボトルが用意されていないが、その代わりに各階にウォーターサーバーが備えられている。これによって年間2万本のペットボトルを削減できるそう。
客室はベッドにもこだわっていて全客室高級マットレス・ベッドのシーリーを採用している。ベッドに並ぶカラフルなクッションやラグ、ボタンを模した壁のフック、ベッドの背後のイラストなど、細部にいたるまで「デパートメントホテル」をコンセプトにしたインテリアはぜひ実際に体験してみてほしい。
同日、オープン50周年を迎えた髙島屋史料館もリニューアルオープンした。企画展示室とアーカイヴス展示室が設けられ、企画展示室では年4回企画展が開催される。4月5日(日)までは「世界をひらく」と題し、創業からの歩みとともに、明治期に京都の染織や刺繍の技術を駆使し、髙島屋の成長の礎となった室内調度品や美術染織品などを展示する。
■シタディーンなんば大阪
住所:大阪市浪速区日本橋3-5-25
公式HP:https://www.citadines.com/ja/japan/osaka/citadines-namba-osaka.html
鳴川和代