コロッケを食べて良縁に恵まれる!? そんなコロッケが神奈川県・寒川町にあるという。効果のほどは定かではないものの、地元では数多くの店で出される人気コロッケと聞いて、さっそく取材してみた。
寒川神社でお馴染みの寒川町で噂になっているのは、その名も“さむかわ棒コロ”というスティック状のコロッケ。実はこれ、昨年の「さむかわB-1グランプリ」でグランプリに輝いた逸品だという。「厚木シロコロホルモン」が全国区の知名度を獲得し、各地でB級グルメ熱が高まる神奈川県において、現在、飛ぶ鳥を落とす勢い(?)の人気グルメなのだ。
今や町内の23軒が提供している、この“さむかわ棒コロ”。他のB級グルメ同様に、その製法にはいくつかの決まりがある。まず、第一の決まりが、「春巻の皮でタネを巻く」点。衣と具の間にこの皮があるおかけで、衣とタネにはないモチッとした食感が生まれる。2つ目の決まりは、「具は店の自由」という点。細かく言えば、ジャガイモを使い、しっかりした味を付けるという決まりはあるのだが、そのルールさえ守れば各店ごとに自由なアレンジができる。具に下味が付いているので、テイクアウトにもぴったりだ。そして、もう1つの決まりは「食べると縁結びの効果がある」という点。なんでも、その名前にかけて、寒川神社参拝の前後に食べると“ぼうコロ”んでもステキな縁につながるのだそう。
この、さむかわ棒コロを開発したのは、寒川駅南口近くの洋風居酒屋「食厨房 なかなか」店長の木村光晴さん。今では「棒コロ喰わせ隊長」を務める木村さんが、子供が好きなものを詰め込んだ手軽なスナックとして考案したのが元祖「棒コロ」(1本480円)だ。長さ20cmの細長いコロッケの中には、生のタマネギと炒めタマネギが1:1の割合でブレンドされ、タネのとろ~り感とシャキシャキ感が両立。豚肉やチーズ、バター、青ノリなども入っており、結構なボリュームながらペロリと食べられる。
この“棒コロ”、具が自由ということで、各店の個性が存分に発揮されているのも魅力。例えば、「おそば 巴屋」の「そば入り棒コロ」(300円)は、日本そばを束状で包んだ、そば処ならではのもの。一方で、「“寿司フレンチ kimura”」の「さむかわ棒コロ」(500円)は、プチプチとしたトビコが入り、旬の魚介と野菜が大胆に乗るという華やかな見た目で、同じ棒コロといえども、店ごとまったく異なる楽しみ方を演出してくれるのだ。
ちなみに、この棒コロを食べて実際に良縁に恵まれた人がいるか気になるところだが、それは記者も不明。でも、この細いコロッケを2人で分け合えば、自然と良い縁が生まれそうな気がする。意中の相手がいる人もそうでない人も、願掛けのつもりで一本食べに出かけてみては?【詳細は、5月10日発売号の横浜ウォーカーに掲載】