シリコン製の洗えるキーボードや、キーの配列が“ハ”の字になっているタイプともまったく違う、今までにない斬新なデザインのUSBキーボードが、5月にミネベアから発売された。フラットで鏡のようなキーボード「COOL LEAF(クールリーフ)」(オープン価格)だ。
近未来的なフォルムが特徴の同商品は、見た目は長方形の大きな鏡にしか見えない、完全フラット型のキーボード。LEDで表示されるキーの感触は鏡やガラスそのもので、ホームポジションのマークはないが、習慣でつい強く打った場合も壊れる心配はなく、それどころかうっかりキーボードに手をついて立ち上がっても壊れない。また、操作音をOFFにすれば入力する時の“カチャカチャ”という音がなく、表面がアクリルなので、ユーザーの好みでデコレーションしても製品機能に影響はないという。
そして普段、あまり気にすることのないキーボードの衛生面。職場や家のパソコンで作業しながら飲食する人は、食べカスやホコリ、ペットの毛などがキーの隙間に落ちたり、うっかりコップを倒して水浸しにしてしまったり…という経験も少なくないのでは?
一般的なキーボードは、隙間が深くてすみずみまで掃除をすることができないため、バクテリアなども繁殖しやすく、実際に手入れするのは難しい。しかし、同商品は清浄さが最も要求される医療機関や食品工場、クリーンルームでの利用も想定された防滴対応なので、飲み物をこぼしたり汚れてしまったりしても、付属のクリーニングクロスなどでサッと拭くだけと、手入れもラク。また、アルコール消毒ができるので、インフルエンザなどの接触感染を防げるのだ。
「これからのトレンドを先取りする、当社がこれまで手がけたことのないスタイルに取り組みました。従来のキーボードではなし得なかったデザイン性と清潔性を特徴としたオンリーワン商品になったと自負しています」とは、電子機器事業本部顧問の塩田さん。
デザインは国内外のデザイン賞を多く受賞し、グッドデザイン賞審査委員長も務めた川崎和男氏(工業デザイナー・大阪大学大学院教授・医学博士)。川崎氏がデザインした車いすはニューヨーク近代美術館に永久収蔵されており、2008年の副大統領候補であったサラ・ペイリンや、韓流スターのペ・ヨンジュンがかけていたメガネをデザインしたことでも有名だ。
現在、ビックカメラやTSUKUMO(ツクモ)などで販売されており、通販でも購入可能。さらに「COOL LEAF」のノウハウを活かした電卓やリモコンも開発中とのこと。iPadやスマートフォンなどタッチパネル式が主流になってきている昨今。この商品をきっかけに、デスクトップPCのキーボードもこれからはタッチパネル式が増えていくかも?【東京ウォーカー】