5/28(土)映画「プリンセス トヨトミ」が公開! 原作者・万城目学氏に直撃インタビュー

関西ウォーカー

会計検査院による調査をきっかけに、大阪全体で約400年もの間守られてきていた“ある秘密”が明らかになっていく様子を描いた映画「プリンセス トヨトミ」(5/28(土)よりTOHOシネマズ梅田ほかにて公開)。今回、本作の原作者である人気作家・万城目学(まきめ まなぶ)氏が映画のこと、本作が生まれたきっかけ、さらに自身の地元でもある大阪への思いを語ってくれた。

─まず、完成した映画作品をご覧になっての感想を教えてください。

「自分が作った物語ですが、ストーリーの滅茶苦茶さに自分でもびっくりしました(笑)。映画化のお話をいただいた時も、一流の俳優さんたちがそれを演じてくれるなんて、“本当にいいのかな!?”という気持ちでしたね(笑)」

─そもそも、この奇想天外な物語が誕生するきっかけは何だったんでしょうか?

「『鴨川ホルモー』では京都、『鹿男あをによし』では奈良を舞台に書きましたが、僕は大阪出身なのでやっぱり大阪を題材にする時は、一番大きなスケールの物語にしようと思っていたんです。地元だけに“もっともっとおもしろくしたい!”と思ううちに、どんどんと物語が膨らんでいきました。いま、僕は東京に住んでいるんですが、望郷の念が生まれるんですよね。きっといまも大阪に住んでいたら『プリンセス・トヨトミ』は書かなかったでしょうし、離れているからこそ、その想いが募って筆を走らせたんだと思います」

─それで、大阪国という国家が存在し、大阪の“ある秘密”の鍵をにぎるのが豊臣家の末裔だという歴史的なホラ話と融合させようと…。

「『鴨川ホルモー』の時もそうでしたが、ホラ話をくっつけるというのは大阪を舞台にした作品でもやってみようと思っていたんです。それでいくつか大阪にまつわるキーワードを挙げていったら、大阪城とか大阪人の気質というものが出てきて。カタチのあるものとそうでないものを1つのエンタテインメントで結び付けることも最初の段階で考えていたので、そこからいろんな要素を足していきましたね」

─奇想天外な物語の中にも、きちんと親と子の絆だったり人間ドラマも描かれていますね。

「人情的な話を書くために、最初から父と子の話にしようと思っていて。そこに大阪の男たちを集結させるための“大阪国”という存在を描いたんです。書いている時は、かなり綱渡り状態で“本当に目指す結末にたどり着けるのか?”って不安になったりしましたけど(笑)」

─大阪人にとってはすごく思い入れのある原作であり、映画にもなりました。

「梅田とか大阪府庁・大阪城周辺のメジャーな場所だけでなく、大阪人ならすぐわかる、天王寺の路面電車が走る一瞬が映っていたりもするので、大阪人は数倍楽しめる作品だと思います」

【取材・文=リワークス】

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