「史跡探訪」と聞けば、中高年以上向けの渋〜い趣味をイメージするのでは? でも最近ではゲームや漫画、テレビに由来する“歴史モノ”の人気で、若者向けの史跡探訪ツアーが登場しているという。
企画したのは新宿三丁目で戦国グッズを販売する「もののふ 天守」。ツアーでは大人気の時代小説「のぼうの城」(小学館)の舞台となった、埼玉県にある忍(おし)城を訪ねるという。石田光成との功防戦を史跡研究家のガイドで巡る渋い内容だ。
「東海や関西の戦国武将に比べ、関東の武将は知名度が低い。地元の武将をもっと盛り上げていこうと、ツアーを企画しました」と主宰の田中秀樹さん。最近の歴史好きな若者は、織田信長など従来の“超大物”武将より、伊達政宗や大谷吉継など“生き様”が魅力的な武将を好むといわれ、関東地方にも多く存在するこのタイプの武将で若者の需要を掘り起こしたい考えだ。
一方、大手旅行代理店にも“若者向け”戦国ツアーの流れはある。
近畿日本ツーリストは毎年大河ドラマにちなんだツアーを開催している。「昨年は“篤姫”が大人気で、プランを従来の2つから4つに増やしました。“天地人”は放送開始したばかりですが、高い人気が続けば、ゆかりの土地ツアーを増やす予定もあります」(同広報)。
「篤姫」のツアーは、従来に比べ30代を中心に若い世代からの応募が多かったという。妻夫木聡など人気若手俳優を多数起用する今回の大河ドラマ。若者の戦国武将人気と連動し、大手旅行代理店でも若者向けツアーが登場するかもしれない。
まだまだ一般的とはいえない“若者向け”の歴史ツアー。だが、行楽の「安・近・短」傾向や車離れなどで、最近では若い世代に日帰りバスツアーが人気だ。「アウトレット」「味覚狩り」などツアーの人気商品に「戦国武将」が加わってくるかもしれない。【東京ウォーカー/中道圭吾】