4月1日〜5月31日、東京のIHIステージアラウンド東京にて上演される「ウエスト・サイド・ストーリー」Season3にマリア役として出演する桜井玲香さんに舞台に向けての意気込みを聞かせていただきました。
マリアには特徴的な高音が多いので、必死になります
——ミュージカルの金字塔と言われる「ウエスト・サイド・ストーリー」。マリア役に決まったときの気持ちを教えてください。
【桜井玲香】本当に大丈夫かなと。知らない人がいない作品で、ヒロインのマリア役が私に務まるのかなと最初は思ってしまいました。出来るわけがないけど頑張らなきゃなと。腹をくくってやろうと今は覚悟を決めて頑張っています。
——来日版、日本版はSeason1、2とラストを飾るSeason3での出演。客席が回転する劇場、IHIステージアラウンド東京の印象は?
【桜井玲香】Season1と2を観劇させて頂いたんですけど、セットが豪華で作りこまれているのがまずすごいなと。ここに立つのかと思いました。でも、客席に向かって180度以上ステージがある分、その世界観にすごく入りやすいんですよね。客席が回転するのはアトラクションみたいでした!
——桜井さんならではのマリア役になりそうですが、どのような点を意識して役作りしたいと思っていますか?
【桜井玲香】まだ稽古に入ったばかりなので、ここから変わっていくのかなとは思っているんですけど、演出の方にはマリアはプエルトリコっていう閉鎖された場所からアメリカという広い世界に飛び込んできて、純粋な女の子なんだけどちょっとかしこいところもあるって言われていて。だから、結構現実的なマリアになりそうだなと思っています。
トニーとマリアって真逆なんですよね。トニーはちょっと夢見がちなところがあって対照的なふたり。そういう関係性なんだよっていうお話も聞いたので、ただ単に恋に浮かれているわけじゃないんだなと。
だからこそ、ラストシーンに繋がるんじゃないかなと思っているので、そこを考えて演じたいなと思います。
あと、マリアとしては歌ですよね。乃木坂46時代からダンスよりは歌に苦手意識あるので…頑張ってはいるんですけど、もっと必死にならないとと思っています。マリアには特徴的な高音が多いので、そこを出せるように頑張らないと!
ミュージカル作品はアイドルとして歌うときと全然声が違うので、そこも新鮮に感じてほしい
——マリアは伊原六花さんとのWキャストで、他のメインキャストもほぼ全員がWキャスト。お芝居するうえで意識することはありますか?
【桜井玲香】そうなんですよ。みんな全然キャラが真逆っていうくらいのWキャストなんです。組み合わせが同じ回って1、2回くらいしかないんじゃないかと思いますし、私たちマリアも絶対違う印象になるけど、アニータなんて特に! それぞれの個性が立っているので、毎回違うお芝居になるんじゃないかなと思っています。
すごく楽しみですね。お芝居する相手が変わるので、いろいろと変えていきたいなという思いがありますし。組み合わせを変えて観る楽しみも感じてもらえたら嬉しいです。
——1950年代に初演。映画版も1961年。古典とも言われる作品ですが、ステージアラウンド版の見どころは?
【桜井玲香】2020年版といっても今の時代に解釈を寄せているわけじゃないので、当時の感覚を一緒に共有してもらえたらと思います。
その時代の女性たちや、ギャングの子たちが何を考えていたのか。差別で苦しんでいた子たちの心情をそのままに、当時の背景をみんなで共有して上演できたらと考えているので、現代だからという変更点は無いんです。マリアを通して当時の感覚を伝えられたらなと思います。
——前作(ダンス オブ ヴァンパイア)に続いてのミュージカル出演。このあとも「フラッシュダンス」が控えている桜井さん。ミュージカルの魅力を改めて教えてください。
【桜井玲香】ミュージカルはやっぱり音楽の力ですよね。客席で観ていても音楽がかかるとちょっとのれる部分があったりして。言葉の力だけじゃなくて、音楽が加わることでよりお客様に訴えられることがあるのがミュージカルだと思います。
私自身、やっぱりミュージカルの作品になるとアイドルで歌うときと全然声が違うので。発声方法も歌い方も。ファンの方には、そこも新鮮に感じて楽しんでもらえるのかなと思っています。
——乃木坂46を卒業して活躍の場所もさらに広がったと思いますが、今回の上演タイミングでは同じ乃木坂46で活動していた白石麻衣さんが卒業。一言エールを贈るとしたら?
【桜井玲香】長い間グループを支えてくれて本当に感謝だなと思いますし、まいやんがいる時代に乃木坂46というものを一緒に作れた時間は一生の宝物だし、すごく楽しかったので、笑顔で最後まで頑張ってほしいなと思います。見守っています! あと、この「ウエスト・サイド・ストーリー」観に来てね(笑)
撮影=槇野翔太
ウォーカープラス/野木原晃一