見た瞬間に胸が高鳴るハッピーな色使いと、コロンとした形に心ときめくマカロン。アーモンドパウダー、卵白、砂糖で作る生地にクリームなどをはさんだ種類豊富な展開は選ぶ楽しみがあり、幸せを運んでくれる。ホワイトデーのお返しやギフトとして女性に喜ばれること請け合いのマカロンをピックアップ!
茅ヶ崎市香川の「LE CHANTIER」
JR香川駅から徒歩7分の住宅街の奥にある、マカロンと焼き菓子の専門店「LE CHANTIER(ル・シャンティエ)」。客が2人も入ればいっぱいになるほどの小さな店だが、色とりどりのマカロンや焼き菓子は宝石のような存在感を放ち、“パリの隠れ家”をイメージした装飾や陳列は訪れた人のハートをがっちりと掴む。オーナーの久米さんが一人で丁寧に全て手作りするため、店舗営業は基本的に火曜のみ。週末は湘南エリアで開催されるイベント等に出店している。
マカロンの専門店だけあり種類豊富で、約13種類をそろえる。生地はアーモンドパウダーを多く配合してクリームとの一体感を高め、さっくりもっちりした食感が特徴だ。フランス・ノルマンディー産 イズニー社の発酵バターを使った“フランスシリーズ”(259円)は、バターの芳醇な香りとコクが際立って上質な味わい。なかでも人気なのが、「赤いベリーミックス」(手前)。“パリの隠れ家”の秘密の庭で四季折々に実る果物を使って作られたという、なんともロマンチックなコンセプトのマカロンだ。フランボワーズやイチゴなど旬の赤い果実のジャムで作ったバタークリームが、パッと鮮やかな甘酸っぱさを残す。
久米さんがニューヨーク旅行で出会った素材を使った“ニューヨークシリーズ”(259円)は、3月下旬まで販売予定の限定品。ピスタチオ(左)はコクと香りの輪郭がしっかりと出てリッチな味わいだ。
そのほか、北海道産の発酵バターを使った“レギュラーシリーズ”(231円)は、ブルーベリ ー(右)や抹茶&あずき、チョコレートなどを販売。
二宮の「Pâtisserie Saint-Malo」
入れかわり立ちかわりひっきりなしに客が訪れ、地元で支持力がある「Pâtisserie Saint-Malo(パティスリー サンマロー)」。オーナーを務めるのは、武田 利秋シェフ。東京・曙橋の「パティスリー ラ・ヴィ・ドゥース」でパティシエとしてのキャリアをスタートし、渡仏。帰国後は「ベージュ アラン・デュカス 東京」のパティシエに就任し、2008年に居抜きの物件を譲り受けて開業を果たした。
そんな確かな腕をもつ武田シェフだが、子供や年配の人が多い店周辺の地域に寄り添って、可愛らしいスイーツを作るのも魅力の一つ。
動物の形をした「マカロン」(150円)は看板商品。今では知名度があるマカロンだが、開業当時は知らない人も多かった。そこで、老若男女に興味をもってもらうために動物の形にしたところヒット。ホワイトデー前は1週間で約3,000個売れるほどの人気商品に成長した。
見た目だけでなく、味わいも本格的! フランスでの修業時代に感銘を受けたマカロンを元に、乾燥や焼成まで全行程に気を配って、さくっと歯切れよく中はしっとりした食感に。生地とクリームの口溶けと一体感がよく、ひと口食べると夢心地の美味しさだ。
右からトラ(抹茶)、ウサギ(イチゴ)、ヒヨコ(オレンジ)。ほかクマ(ショコラ・フランボワーズ)があり、全5種類。ねっちりとしたマカロン独特の食感が苦手な方にオススメだ。
葉山の「SWEET TOOTH」
「SWEET TOOTH(スイートトゥース)」は、海が好きな小菅さん夫婦が2006年に開業したパティスリー。“ALOHA”をコンセプトにした店内は、ゆったりとハワイアンミュージックが流れ、陽気な雰囲気でいっぱい!海や葉山にちなんだ商品がズラリと並び、訪れる人の目を楽しませてくれる。逗子・葉山観光に訪れた客からも人気だ。
プルメリアの花をイメージした「花マカロン」(1個204円)は、常時約6種を販売。厚みのある生地は噛み締めると、カリッ、サクサクと大胆に崩れる。その存在感のある食感は食べごたえ抜群だ。右から、甘味がしっかり際立った 「イチゴ」、自然なミントの香りが鼻からふんわり抜ける「チョコミント」、コーヒーの心地よい香りにほろ苦さがきいた「カフェオレ」。ほかには、定番の「抹茶」、上からもシナモンをふりかけて香りよい「アップルシナモン」、「チョコバナナ」など個性豊かなフレーバーが季節ごとに並ぶ。色とりどりの花に、少し早い春を感じて。
【取材・文=磯崎 舞/撮影=奥西淳二】
磯崎舞