連続テレビ小説「半分、青い。」や映画、CMなどで活躍している永野芽郁が、映画『仮面病棟』で初めてのミステリー作品に挑む。仮面の凶悪犯に占拠された病院を舞台に繰り広げるノンストップの脱出ミステリーで、原作は現役医師・知念実希人が描くベストセラー。永野は、凶悪犯に撃たれ、一夜限りの当直医・速水(坂口健太郎)と共に病院に閉じ込められる女子大生・瞳を演じる。坂口とは映画「俺物語!!」('15)で共演、再共演となる今回は「とても安心感がありました」と笑顔に。撮影は「原作のイメージとピッタリ！」という北九州の病院を借りて行われた。ふんわりとした可愛らしいイメージの永野だが、意外や「基本的に動じないタイプ(笑)」。難しいからこそ挑戦し、自らの力とする彼女が、映画『仮面病棟』について語った。
【オファーを受けて】
原作を脚本より先に読んでいたんですけど、瞳は今まで自分が出会ったことのない女性で、挑戦したことのない役でした。坂口さんとまたご一緒できるということもあり、やれたらうれしいなと思いました。
【初めてのミステリー】
ミステリーに今まであまり触れて来なかったと言うこともあり、初めてのミステリー挑戦にわくわくしました。演じながら自分自身も謎を解いていく感じがあって「あ、ここがこうなったら、こうつながるんだ！」って、自分で演じているのに感動したり(笑)。次にこんな事件が起こるとわかっていながらもビックリして(笑)。もちろん、環境や出演者のみなさんの力が大きいと思うんですけど、やってて楽しかったし、すごくおもしろかったです。
【瞳を演じて】
ピエロに撃たれてから病院に来て、ずっと傷を体に負った状態で一夜を過ごしているので、表情だけで自分の感情をほかの先生たちに伝えないといけなかったり、病院の中だけで起こることが描かれているので、その中でちょっとした変化を付けなきゃいけなかったり。
さらに今回はミステリーで伏線がいっぱいあるので、ここはここにつながるから、こういう表情だなとか、初めてに近いぐらい計算しながらやりました。
タイトなスケジュールの中で、なかなか難しい大変な撮影だったので、撮り終えた時に「終わった～！」っていう達成感はすごくありましたね。
【映画の楽しみ方】
原作の、謎がどんどん解かれていく期待感はきっと映画でも描けていると思います。ビックリしたり緊迫感のあるシーンも多いですが、登場人物の行動一つ一つに意味がある作品になっています。速水先生が中心になって謎を解いていくので、速水先生と一緒に考えながら作品の中に入って楽しんでもらえたら、と思いますね。1回観るだけでも楽しめますけど、回観ると、細かい部分に気付いて、ハマっていく作品じゃないかな。
【瞳のように閉じ込められたら？】
瞳って、驚いているところは多いけど、意外と淡々としてるんですよね。そこは私にも通じるところがあるかもしれないです。新しい挑戦をする時も、どこかすごくドキドキはしているけど、淡々と見えるように自分でやってる感じがする。じっと自分の中で考えて立ち止まるっていう感覚は、私も一緒かなって思います。
閉じ込められた時は、私はきっと動かないです。ずっと黙って、ただじっとしてますね。もちろん、その場の状況にもよりますけれど、動くなって言われたら動かないのが一番。そして、そのまま淡々と時が過ぎるのを待つ。
【意外にも肝っ玉女子】
フワフワしてる感じの子って見られることも多いんですけど、初めて会う方と素の自分で話している時に「意外だね」って言われることが多いですね。
【これから挑戦したい役】
普通の役をやりたいです。なにか大きな出来事が起きるとかじゃなく、静かな普通な映画で、生活の中に自然になじんでいる役をやりたいです。それは、絶対難しいから。人によって普通は違う。普通の人ができるようになりたいなって思います。
昨年は、けっこうお休みしたんですよ、休みすぎて大丈夫かなっていうぐらい笑。ゆっくりする時間をたくさんもらったので、今年はちょっと働きます笑。皆さんに、いろんな意味で自分の違う姿を見せられるように頑張んなきゃ、と思っています。
【関西で行きたいところ】
運転することが好きなので、東京から車を運転して伊勢神宮に行きたいです。きちんと参拝して、おいしいものを食べて帰りたい笑。昨年のお休みでは出雲大社に行きました。
神社やお寺が好きで、ご朱印を集めているんです。伊勢神宮に行った人がみんな、絶対にいいよって言うじゃないですか。すごくきれいな”気“を感じるって。そんなに言うなら行ってみたいなと思っているんです。
ながのめい●1999年、東京都生まれ。09年にデビュー。映画「俺物語!!」(‘15)のヒロインで注目され、翌年は大河ドラマ「真田丸」(NHK)など、多くのドラマや映画で活躍。連続テレビ小説「半分、青い。」(’18、NHK)の演技が高く評価され、19年にエランドール賞新人賞、第27回橋田賞新人賞を受賞。12月公開の映画「キネマの神様」に出演
MOVIE「仮面病棟」(’20 ワーナー・ブラザース映画)
3月6日(金)より大阪ステーションシティシネマ、MOVIX京都、109シネマズHAT神戸ほかにて公開
原作：知念実希人｢仮面病棟｣(実業之日本社文庫刊) 監督：木村ひさし 脚本：知念実希人、木村ひさし 出演：坂口健太郎、永野芽郁、内田理央、江口のりこ、大谷亮平、高嶋政伸ほか
高橋晴代・はーこ