ハマの定番おやつ 実力派シェフの技と演出が光る「ラメール洋菓子店」

横浜ウォーカー

さむかわ中央公園の目の前にある(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


三角屋根に暖色系の外壁、レンガ造りの煙突__。JR寒川駅から徒歩11分の場所に、かわいらしい洋風の外観が目を引く「ラメール洋菓子店」がある。

湘南エリアらしいヨットのロゴマーク(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


駐車場から草木で飾られたアプローチを通り、店の前へ。まるで絵本の世界から飛び出したような世界観に、ワクワクとした気持ちに!

途切れることなく訪れる客に人気を感じる(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


一歩中に入れば、豊富な菓子に囲まれる。なんと、その数は生菓子と焼き菓子をあわせて80種ほど!吹き抜けの広々とした空間には、壁や天井に季節のイベントを意識した装飾がほどこされて賑やか。その場に居るだけで甘く幸せな気持ちにさせてくれる世界観は、まるで現代版のお菓子の家のようだ。

活気に満ちあふれた明るい人柄の大関シェフ(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


「訪れたお客様に見て食べて心ときめいてもらいたい」と話すのは、オーナーの大関博之シェフ。その想いから、菓子の味や見た目にこだわるだけでなく装飾やラッピングにも力を入れ、ひと目見てワクワクする演出を仕掛ける。そのほか、店づくりに余念がなく、数年前にギフトサロンを2階に開設。贈答品や大量注文を希望する客向けの専用スペースで、包装資材を実際に見ながら椅子に座ってゆっくり相談をすることができる。どれをとっても客と店に対する大関シェフの愛情があふれている仕組みだ。

そんな大関シェフは、数々のコンテストで輝かしい受賞歴を持つ実力者。2002年に「ジャパンケーキショー東京20(コンフィズリー部門)」の大会会長賞、2003年に「神奈川洋菓子コンテスト(マジパン部門)」の大会会長賞を受賞など、ジャンルを問わずその技術を評価されてきた。また、一流パティシエが集って腕を競う有名テレビ番組の企画では3位に入賞。

技術から演出までトータルした店づくりが客の心に響き、1983年に創業してから寒川エリアの客の心をつかみ続けてきた。

訪れたらぜひ試してほしい、もっとも人気な生菓子と焼き菓子はこちら。

コンテストで優勝した実績のある「スティックキリ」


持ちやすく食べやすいスティック状(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


2001年「第3回キリクリームチーズコンテスト」で優勝した作品がそのまま商品化された「スティックキリ」(200円)。シンプルながらキリチーズの塩気と乳味をしっかりと生かし、レモンをきかせてあと味を爽やかに仕上げた。上部と下部に重ねたのは、そぼろ状にしたクッキー生地。土台となる部分は1回空焼きしたものをギュッと固めて密度を高め、シナモンを隠し味に入れて風味豊かに。ちょっとした手みやげや、気軽なおやつに手頃な商品だ。

チョコレートの濃厚感を楽しむ「焼きちょこ」


5個入りと10個入りの箱詰めもあり手みやげに◎(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


焼き菓子で1番人気なのが「焼きちょこ」(200円)。スイートチョコレートをたっぷり入れて、しっとりと焼き上げた。生地がほどけていくと、濃厚な甘味が広がり幸福感たっぷり。砕いたチョコレートの塊がところどころに入っていて、満足感もバッチリ!チョコレート好きにはたまらない一品だ。

真っ白なスポンジ生地が要のロングセラー商品「ラメール」


赤と白の美しいコントラストが目を引く(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


店名を冠した「ラメール」(420円)は生菓子で1番人気の、約32年前から作り続けているロングセラー商品。卵白のみを使ったスポンジ生地は美しい白色で、ふわっと消えていく口どけの良さが特徴だ。温度や湿度によって変わる生地の状態の見極めが必要なため扱いが非常に難しく、スポンジ生地を作るのは大関シェフが認めたスタッフのみ。スポンジ生地とコクのある生クリームが一体となって溶けていき、イチゴジャムと果肉の甘酸っぱさが鮮明に浮かび上がるさまは幸せそのもの!一見ショートケーキにも見た目が似ているが、比べると生地とクリームの馴染みが良くクセがないので1番人気も納得の味わいだ。

そのほかにも四季折々の限定商品など、多種多様なスイーツに目移りしてしまうはず。店内にはイートインできる喫茶スペースもあるので、ゆっくりスイーツを食べながらくつろいでみてはいかが?

【取材・文=磯崎 舞/撮影=伊東武志】

磯崎舞

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