ハマの定番おやつ 閑静な住宅街で出合うドイツ菓子店「アウスリーベ」

横浜ウォーカー

片瀬山駅から徒歩10分の場所に位置する(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


日本では珍しいドイツ菓子の専門店「aus LIEBE(アウスリーベ)」。店があるのは、湘南モノレール 湘南江の島駅から数えて3駅目にあたる片瀬山駅。無人の小さな駅で、広々とした邸宅が並ぶ住宅街にひっそりと佇む。

シンプル&シックな外観(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


迷いそうになりながらたどり着くのも一興、さりげなく掲げられた店名のプレートが目印だ。外からは店内の様子が見えないので、隠れ家を訪ねるようなワクワク感が掻き立てられる。

夏場を除く時期はチョコレートの商品が並ぶことも!(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


小さな売り場には、ドイツ菓子約30種がズラリと並ぶ。その奥には工房が併設され、一人でせっせと製造に勤しむのがオーナーの曽根 愛さんだ。

温和な人柄の曽根さんと沢山の菓子に囲まれ、ホッと気分が安らぐ(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


曽根さんは子供の頃から菓子作りが好きで、「夢・マイスター(職人)になること」と作文に書き、小学生の時点でその道を決めていた。高校卒業後に単身でドイツに渡り、ドイツの国家資格である製菓マイスターの資格を7年半の月日をかけて取得。「菓子作りが好き」というブレない気持ちを持ち、幼い頃からの夢を追い続けて見事実現させた。そして、帰国後は平塚にあるドイツ菓子店「コンディトライ バッハマン」で5年間修業を重ね、2003年に「アウスリーベ」を開業した。

ドイツ菓子と聞くと、どのようなイメージを抱くだろうか?「意外と甘すぎないのね!と、開業当時はよくお客さんに驚かれました」と話す、曽根さん。味の要の一つとなるのが、アーモンドプードルの代わりにマジパンを入れること。アーモンドをすりつぶして砂糖などを混ぜて半固形状にしたもので、独特の香ばしさがしっかり出て、食感はしっとり仕上がる。種類や形もさまざまなドイツ菓子を紹介しよう。

パッと大輪の花が咲いたような「マルガレーテン」


切り分けるのがもったいない愛らしさ!(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


なんともかわいらしい形に目がくぎ付けになる「マルガレーテン」(1,500円・直径15cm)。マーガレットの花をモチーフにした、ドイツ・ケルンでよく見かけられる伝統菓子だ。先述したマジパンがベースになったしっとりした生地で、アーモンドが香り高い。ティータイムや食後のデザートにテーブルに並べたら、優雅なひと時を演出してくれるはず。

サクサク&カリカリ食感にハマる「クヌスプリ」


パクッとほお張れるひと口サイズ(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


「クヌスプリ」(350円)という特徴的な名前は、“サクサクとした”という意味。薄焼きのクレープ生地と刻んだアーモンドをチョコレートでコーティング。サクサク、カリカリ、軽やかな食感が続き、伸ばす手が止まらなくなる美味しさだ。コーヒーの香りが幸せな余韻を与えてくれる「モカ」をはじめ、「ミルク」「ホワイト」「抹茶」「イチゴ」の全5種。気軽に購入しやすい価格とサイズ感で自分ご褒美用にも人気だ。

8種類の食べ比べが楽しい「マイスターゲベックA」


どれから食べようか悩む時間も楽しい(c)KADOKAWA撮影=伊東武志


ソフトな食感のクッキーでクリームやチョコレートをサンドした「マイスターゲベックA」(1,890円)。形も大きさも違う8種類のクッキーが行儀よく並んだ見た目は誰もが心躍るはず!ハートが目を引く「ヘルツリー」は、さっくりした生地にラズベリージャムの酸味がアクセントになって飽きのこない味わい。その下に隠れているのがマジパンをサンドした「ルムシュタンゲン」。ラム酒の香りが自然に漂う上品な味わいだ。

ナッツを使ったクッキーを中心に詰め合わせた「マイスターゲベックB」(1,330円)も販売。製造から約2週間の日持ちなので、手みやげにもぴったりだ。

飽きずに何回も食べたくなる、曽根さんが作るドイツ菓子にはそんな魔法が宿る。「アウスリーベ」の菓子を囲んで、家族や友達とゆったりとしたひと時を過ごしてみては?

【取材・文=磯崎 舞/撮影=伊東武志】

磯崎舞

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