歴史ある寺社や自然が多く、さまざまな見どころが集まる鎌倉は人気観光スポットのひとつ。鶴岡八幡宮から近く、散策の合間にゆったりくつろげるカフェも併設するのが「パティスリークグラパン 鎌倉本店」。
木目調で統一された店内はクラシカル。このホッと親しみやすく落ち着いた雰囲気は、“フランス・アルザス地方の家”をイメージしている。
「アルザスで働いていた頃に現地の菓子や文化に惹かれ、自分で店を開いたら表現したいと思っていた」と話すのは、オーナーの笹岡鉄兵シェフ。「コートダジュール・ミクニズ」でキャリアをスタートし、神奈川「洋菓子カナール」、東京「エーグルドゥース」を経て、渡仏。帰国後は「レストランブノワ」などで経験を積み、2016年に「パティスリークグラパン 鎌倉本店」を開業。パティスリーにとどまらずフレンチレストランや会員制ホテルなど様々な分野に携わってきた経験の持ち主で、洋菓子業界内でも権威ある数々のコンクールで受賞を果たしてきた。
アルザスへの想いから、アルザス生まれの伝統菓子であるクグロフを看板商品のひとつに。現地で修業していた頃に作っていたレシピをベースに、日本人の味覚にも合うようバターやレーズンの量を増やしてリッチに仕上げた。表面のグラニュー糖と粉糖が、芳醇な香りのブリオッシュ生地と合わさると幸せそのもの!
本格的な伝統菓子だけでなく、クグロフの形をしたかわいらしい品々も魅力。プレゼントに選んだら喜ばれるクグロフ形スイーツはこちら!
レモンの清涼感にキュンとする「レモンケーキ」
しっとりした生地にはレモン皮と果汁、さらに表面のアイシングにも果汁を入れて酸味を際立てた「レモンケーキ」(1個252円)。アイシングがシャリっと口どけると、一気に広がる爽やかな香りと風味は春夏にぴったりだ。一般的なレモンケーキよりもやや小ぶりで、レモンの魅力がギュッと小さな一個に詰まっている。
まるで食べる宝石のような「パートドフリュイ」
その鮮やかな色彩に目が奪われる「パートドフリュイ5個入」(648円)は、フルーツピューレを固めたフランスの伝統的な砂糖菓子だ。フランボワーズ、キウイ、カシス、アプリコット、アナナス(パイナップル)の全5種類で、ギュッと濃縮された果実の味わいが特徴。一般的な「パートドフリュイ」は四角形だが、クグロフ形にすることで愛らしさもアップ!見た目もさることながら、コンパクトなサイズ感で気温が高くても溶けない仕様なので手みやげ向きだ。
甘味から塩味まで個性豊かな「プティフール缶」
5種の個性的なクッキーが表情豊かな「プティフール缶」(1,600円)。スパイスがふわっと漂う「スペキュロス」(左上)、フレッシュな香りに癒される「湘南ゴールドプレッツェル」(左下)、キャラメルのカリッとした食感がアクセントの「サブレキャラメル」(右上)、ザクザクした食感とチーズの塩気があとを引く「フィユテフロマージュ」(右中央)、ローズマリーの香りに塩味と甘味がやみつきになる「サブレロマラン」(右下)。食べ終わったあとは小物入れとして側においておきたくなるデザインも魅力。缶の色は時期によって変わることもある。
店名はクグロフとラパン(フランス語でウサギの意味)を合わせた造語。クグロフ形のスイーツのほか、ウサギの形をした品々も人気だ。フランスで培ったセンスや技術にかわいらしさも取り入れ、さらに親しみやすく愛される存在となった「パティスリークグラパン」のスイーツをぜひチェックしてみて。
【取材・文=磯崎 舞/撮影=奥西淳二】
磯崎舞