各ファーストフード店がこぞって新メニューを発表するなか、ひときわ変わり種のハンバーガーが登場し、話題を集めている。それが、三軒茶屋にある鉄鍋創作料理とワインのお店・アゲマキで販売中の「みどりむしハンバーガー」(1500円)だ。
ミドリムシ(正式名称:ユーグレナ)といえば、小学生の頃、理科の授業で顕微鏡を通して見たくらいしか記憶にないが、実は動物と植物、両方の特性を併せ持った藻類の仲間で、その体内にはビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など、59種類もの栄養素が含まれた、非常に栄養価の高い生物でもある。
東京大学発ベンチャーである株式会社ユーグレナと、科学教育ベンチャーの株式会社リバネスは、そんなミドリムシの栄養価に目をつけ、食用として大量培養することに成功。自然環境の整った石垣島で培養されたミドリムシを使って、この「みどりむしハンバーガー」を作り上げたのだ。
ちなみに、こちらのお店で販売されているハンバーガーは、バンズに約10億匹分のミドリムシ粉末が練りこまれているだけでなく、添え物のフライドポテトにはミドリムシ入りの塩が、サラダのドレッシングにもミドリムシ入りのジェノベーゼが使われるなど、オーナーシェフの徹底したこだわりが随所から見て取れる。
早速実食してみたところ、特に苦味や臭みといったものは感じられず、それどころか選び抜かれた食材や、大人向けの濃厚なソースがぎっしり挟み込まれているため、非常においしく、あっという間に完食してしまった。とはいえ、それだけではミドリムシ本来の味がわからないため、特別にパンに練りこむ前の粉末の状態でも味見させてもらうことに! もともと、ワカメや昆布などの海藻類に近い性質があるため、粉末からは磯の香りが漂い、やや魚粉と似た味わいだった。確かに、この状態だと臭いがきつく、そのまま食べるのはちょっと苦しいかもしれない。
実は今回のハンバーガー以外にも、ラーメンやクッキー、アイスクリーム、カステラなど、様々な食べ物とのコラボ展開も進んでいるミドリムシ食品。現状だと取っ付きにくい感が否めないが、その栄養価が広く認知されるようになれば、そのうち“ミドリムシ入り”が食材を選ぶ際のスタンダードになる日がやってくるかも!?【東京ウォーカー】