まだまだ残暑の厳しい日々が続いているなか、セブン-イレブンではふた足ほど早く(!?)、寒い季節の風物詩・おでんが販売されている。かつおと昆布の一番だしをたっぷり使い、手間暇かけてじっくり煮込んだ同社のおでんは絶品の一言だが、実は各地域ごとに、味付けにも違いがあることはご存じだろうか?今回、それらの食べ比べができる試食会に参加し、全国6エリアのつゆと具材を実食させてもらった。
セブン-イレブン・ジャパン 商品本部の三野英昭マーチャンダイザーによると、今年はだしに徹底的にこだわったそうで、特にベースとなるかつおは、その漁獲から乾燥方法に至るまで、全てに新体制を取り入れたという。早速、関東地区版のおでんをいただいてみたところ、オーソドックスな味わいながらも、かつおの風味が堪能できる仕上がりとなっていた。特に大根は、シャキシャキした歯ごたえはそのままに、だしの旨味がしっかり染み込んでいて、ついついおかわりしてしまうほどのおいしさだった。
続いていただいた北海道地区版は、煮干だしと宗田かつお節を使用した雑味感のあるつゆが特徴的だ。具材にも「ささたけ」や「地ぶき」といった、北海道ならではの一品が混ざっていて、大変ユニークな印象を受けた。また東北・信越地区版は、さば節や煮干しからだしを取った、やや醤油の香りが強めのつゆになっていて、地域限定メニューの「玉こんにゃく」と非常にマッチしていた。
ここまでハイペースで食べ続けた記者は、少々胸焼けをおこしてしまい、しばし休憩をとることに。胃の調子が戻ったところで、残り3エリアのおでんも一気に試食させてもらった。まず最初にいただいた東海地区版は、うどんやそばに使われる“むろ節”が使われていて、やや甘味のあるつゆが興味深い。ちなみに東海では“練りもの系”の具材が好まれるそうで、こちらのつゆが染み込んだ具材は、いずれも絶妙な味わいだった。
また関西・北陸地区版は、かつおだけでなく、昆布にもこだわったそうで、だしには真昆布を使用し、非常にあっさりした味付けのつゆとなっていた。具材にも「焼き豆腐」や「はも天」といった個性的な一品が多く、他の地区とはひと味違うラインナップを楽しむことができた。そして、最後の中国・九州地区版は、丸鶏使用のチキンブイヨンや自家抽出の牛すじだしなど、動物系のだしを使った濃い目の味付けだ。「豚なんこつ」など、だしを取るだけでなく、そのまま食べることのできる具材も入っていて、いずれもおいしくいただけた。
ちなみに、今回実食させてもらった具材以外にも、各地域ごとの特徴的なメニューはまだまだあるそうだ。「よその地域の具材も食べてみたい!」と思った方は、この秋の行楽シーズンに全国の“おでん巡り”をしてみるのも面白いかも!【東京ウォーカー】