映画『天国からのエール』は“ニイニイの生きた証”、ステレオポニーが壇上で大粒の涙

東京ウォーカー(全国版)

沖縄県本部町にある無料の音楽スタジオ「あじさい音楽村」の創設者・仲宗根陽(なかそね・ひかる)さんの実話を基に映画化した『天国からのエール』(10月1日[土]全国公開)。物語の舞台となった本部町にて17日、プレミア試写会と舞台あいさつが行われ、ミムラ、熊澤誓人監督、主題歌を歌うステレオポニーが出席。スケジュールの都合で出席できなかった主演の阿部寛も急きょ、生電話で会場に集まった若い世代に向けてメッセージを送った。

同作は、美ら海水族館で知られる沖縄県本部町を舞台にした実話の感動作。本部町で小さな弁当店を営む陽(阿部)が、夢を持つ高校生たちを応援したい一心で、私財を投げ打ち無料の音楽スタジオ「あじさい音楽村」を創立。がんで自らの余命を知りながらも、懸命に若い世代を信じ、愛し続ける姿を通して、“生きること”“夢を追いかけること”の大切を描き出す。

舞台あいさつに登壇した陽の妻・美智子役のミムラは「撮影はちょうど1年ぐらい前、本部町に戻って来られてうれしいです。映画鑑賞後のお客さんの顔を見るのが今日が初めてなんですが、楽しんでいただけましたか?」と呼び掛けると、会場に集まった地元・本部町の観客から大きな声援が送られた。

『眉山』(06年)、『ゼロの焦点』(09年)で助監督として活躍、同作で初メガホンをとった熊澤監督は「通常、映画は実際の舞台とは違う町も交ぜて撮ったりするんですが、2年前、ロケハンで本部町に来たときに、全部この町で映画を作りたいと思えました。それは本部町に生きる方々が、町をとても愛して、大切にしているのが伝わったから。だからこそ、仲宗根さんみたいな方、あじさい音楽村が生まれたんだと思いました」と語った。

主題歌「ありがとう」を歌うステレオポニーは実際にあじさい村出身のバンド。会見でボーカル・ギターのAIMIは「ステレオポニーにとって、ニイニイ(仲宗根さん)は父親のような存在。最後、ニイニイに手を合わせてありがとうって言えなかったので、すごく後悔している部分があるので、ぜひみなさんは大切な人にありがとうって言ってあげてください」とコメント。ドラムのSHIHOは「この映画は本当に大切で大きな存在のニイニイの生きた証になると思う…」と話すと言葉を詰まらせ、ステレオポニーの3人はそろって大粒の涙を流した。

会見のラストには、同席できなかった阿部が、サプライズで生電話出演。「仲宗根さんはすごく情熱のある方。僕では役不足かもしれませんが、真っ直ぐな情熱で演じさせていただきました」と会場に語りかけ、ロケ地の近くにある本部高校の生徒100人が会場に駆けつけていることを知ると、「みなさんが登下校するところや、部活で頑張っている姿を見て、とても刺激を受けました。仲宗根さんもそういう姿を見て応援しようと思ったんだなと思います」とメッセージを送った。

映画『天国からのエール』は10月1日(土)全国公開。出演は阿部、ミムラのほか、桜庭ななみ、矢野聖人、森崎ウィン、野村周平ら。また、吉田妙子、ヒガリノ、きゃんひとみら沖縄出身の俳優らも多数出演するほか、沖縄各地から1000人超がエキストラとして参加した。【東京ウォーカー】

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