予約待ち状態が続く、被災地復興支援のミサンガ「環」が人気!

東京ウォーカー(全国版)

東日本大震災の被災地支援を目的とした「三陸に仕事を!プロジェクト」から販売中の、「浜のミサンガ 環(たまき)」(1100円)が話題を呼んでいる。現在、3万個以上を売り上げ、生産が追い付かずに予約待ちが発生しているという。

同プロジェクトは、岩手めんこいテレビ、仙台放送、博報堂、3社が共同で設立。被災地での仕事に関して、がれき撤去等の男性向けの力仕事はあるものの、女性向けの仕事がほとんどないことを懸念した3社の、女性のために何か仕事を作りたいという思いから生まれた。その後、三陸沿岸に多く住む高齢の女性でもできる作業、仮設住宅や避難所生活の中でもできるような手仕事、という条件の仕事を探すうち、漁で使う漁網が高台の倉庫に大量に残っているのを発見。それらを利用したミサンガを製作し、販売するという企画がスタートした。

4月末からインストラクターが避難所に赴き、ミサンガ作りのレクチャーを開始。最初はなかなか主旨を理解してもらえず、作り手は20~30人だったが、練習会を繰り返す内に賛同してくれる人も増え、現在は253人もの作り手が作業を行っている。すべてが手作業で生産個数に限りがあるため、期限を区切っての販売形態を選択しており、第1シーズンである5月11日~7月10日の約2か月間で5658セットを完売。その後も全国から注文が殺到し、第2シーズンの7月11日~9月10日で30683セットを売り上げた。

また、「キャッシュ・フォー・ワーク」という考えのもと、収支はプロジェクトのサイトで公表。購入者にとっては、自分たちが商品を購入した金額が、確実に作り手の女性に渡っていることが分かり、被災地支援につながっていることが実感できるという仕組みだ。作り手の女性には1本作るごとに576円が入ることになっており、プロジェクトの事務局スタッフは、「被災者の支援で大事なのは、お金はもちろんですが、“仕事を通してお金を得る”というやりがいをいかに感じてもらうかというところ。仮設住宅や避難所で生活をしていても何もすることがないという状況は辛いし、高齢者にとっていい方向にはいかないんです。働いて得たお金で、例えば孫にお菓子の1つでも買ってあげられる、こういうことで気持ちもいい方へ向かっていけていると思います」と、プロジェクトの効果を感じている。

現在も予約を受け付けており、次回の販売は10月11日(火)からスタートする「浜のミサンガ 環(たまき)」。収入をもたらすだけでなく、被災者の気持ちを上向かせていることを考えると、今回のプロジェクトの効果は計り知れない。被災地支援の歩みは、少しずつかもしれないが確実に進んでいる。【東京ウォーカー】

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