東海道五十三次の真ん中に位置し、旅人の憩いの場としてにぎわった静岡県・袋井。そこで江戸時代に誕生した卵料理「たまごふわふわ」がいま、B級ご当地グルメとして注目を浴びている。
卵とダシ汁のみで作られる、シンプルながらも味わい深い一品。江戸時代には高級料理として提供されていた。当時のレシピにならった再現系と、創意工夫した創作系の2種類がある。条件は(1)卵を使用していること(2)ほっとして、ふわっと感があること。再現系のダシはカツオ、昆布、鶏ガラなど自由となっている。
夫婦二人で営む駅前の寿司店、山梨屋 寿司店(静岡県袋井市)では、たまごふわふわ(350円)を07年から提供し始めた。寿司に合うよう鶏ガラのスープを使用。素材の味が出るシンプルな料理で、食べてみるとどこかホッとする優しい味わい。卵が半熟状に固まった中ほどの部分もおいしい。
「袋井宿たまごふわふわは、ここでしか食べられないヘルシーなグルメ。 ぜひ食べて、かつて旅人の疲れを癒した袋井の、おもてなしの心を感じてください」と袋井市観光協会会長の太田忠四郎さん。東海道中膝栗毛にも紹介されたという、由緒ある名物料理を味わってみよう。【「B級ご当地グルメウォーカー東海」に掲載】