【本誌連載の拡大版】レッドソックス田澤純一選手インタビュー(1)

横浜ウォーカー

 新日本石油でのアマチュア選手から、野球の本場、アメリカメジャーリーグのレッドソックスへ入団する田澤純一選手! 渡米直前に、インタビューを敢行しました。

――いよいよ新天地への旅立ちです。

「環境とかいろいろと変わりますからね…いろいろなことを経験できる年だと思うんで、まずは早くアメリカという環境に慣れたいですね。そして、野球が少しでも成長できればと思っています」

――アメリカに進路を定めたのはいつごろなのでしょうか。

「最初は去年の3月ぐらいに大久保秀昭監督から『話が来てるぞ』と言われたんですけど、その時はお互いに『本当になるわけないよな』と笑い話みたいに受け止めていました。それが『本当に(スカウトが)日本へ来てるよ』となって、ちゃんとした話しなんだなと。自分も最初は日本のプロ野球に行きたいと思っていたんです。日本でやりたいと思っていたんですけど、何回も話し合いを重ねるうちにアメリカで挑戦したいという気持ちが出てきました」

――そのころはメジャーリーグというとどんな世界だったのでしょうか。

「ただテレビで観ているだけでしたね。すごいとは思いましたけど、自分がここで投げるとか、そんなに意識して観てるわけじゃなかった。まず日本のプロ野球に行きたいと思っていたので、そこまで意識はしていませんでした」

――どこが評価されたと自己分析していますか。

「2年前に自分が日本代表で台湾に遠征した時から見ていると言われました。その時の自分は特にいいピッチングをしたわけじゃないし、いまでもホントに自分でいいのかな、とも思うんですよ(笑)」

――最初に声をかけてもらったという理由でレッドソックスに決めた、という報道もありました。決め手になったのは?

「そういうわけではなく、育成プログラムについてしっかりと自分に言ってもらえたのが大きかったですね。自分も安心できるのでレッドソックスに行こうと決めました。アマチュア野球からアメリカに行く選手はなかなかいないと思うんですけど、トレーニング面において自分がすごく成長できるのかなと思ったので」

――日本のプロ野球を経ずにメジャー契約というのは初めてのケースになりますが、パイオニアになる喜びとプレッシャー、どちらが大きいですか。

「あまりそういうことは意識していないんです。向こうで挑戦してみたい、という気持ちだけで行くので。あまりそういうのを意識していたら、おかしくなりそうなので。日本にするかアメリカにするかですごく悩みましたけど、その結果として選んだのがアメリカなのかなと、いまは思っています」

――ルール違反でも何でもないのに日本球界で悪者扱いされた時期もありました。NPB(日本プロ野球機構)などは、ドラフトを拒否して日本国外のプロ球団でプレーした選手に対するペナルティを設け、議論を呼びました。

「(苦笑しながら)そんなに自分は意識していないんです。監督がすごく支えてくれましたね。監督の方がつらい思いをされたと思います。いろいろ相談にも乗っていただいて、ホントにすごくよくしてもらえました」

――NPBからMLB(メジャーリーグ)へ渡ったパイオニアの野茂英雄氏も当初は非難を浴びましたが、結果を残していくことをそれを封印しました。彼のような生き方は励みになりますか。

「そういうすごい人もいましたけど、自分はそんなにすごいというか、ただ挑戦したいと思ったから挑戦するだけです。そういう気持ちはまだないかな、と思います」

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