就活学生に朗報! 学生寮経験者の意外なメリットが明らかに

東京ウォーカー(全国版)

2008年のリーマンショック以降、冷え込みが続く国内の景気。学生にとっても、かつてない就職氷河期が続くなか、なんと“就職には「学生寮」出身者が有利”というデータが発表された。一見、不便に感じる寮生活だが…、気になる調査の結果を見てみよう。

この調査は自分力開発研究所によるもので、2011年7~8月の期間中、大学生や入社5年以内の社会人を対象に“学生時代の寮生活”に関するアンケートを実施。さらに企業の採用担当者にもアンケートを取り、3方向からの結果を照らし合わせ、“学生の生活形態と就職活動の関連性”についての分析したものだ。

まずは、現役学生。

学生を「寮生活」「一人暮らし」「実家暮らし」の3つのカテゴリーに分け、それぞれに“現在の学生生活”の満足度を聞いたところ、“満足”と答えた割合は寮生の80.4%が最も高い結果に。「学業に集中できる環境か?」という質問でも、寮生のみが「入学後、学習環境が改善された」と回答し、寮生限定での「寮生活で得られたもの」の質問でも、「協調性」「コミュニケーション能力」「友人・仲間」と、必ずしも自由ではない集団生活で、“人付き合い”を学んでいる実態が明らかになった。

続いて、入社5年以内の社会人への調査。

「学生時代に身に付けたもので、社会に出て役に立っているもの」という質問では、「協調性」が95.5%と最も高く、続いて「人脈」「礼儀」「コミュニケーション力」など、仕事に必要な項目がズラリと並んでいる。おもしろいのは「それらを身に付けた場所」という質問。ゼミやサークル、アルバイト先と並んで、「寮」と答える割合が多く、調査した10項目のうち、8項目で「寮」が上位3位以内に入る結果に。寮生活での体験が、社会に出ても効果を発揮していることが示されている。

最後に、企業の採用担当者への調査。

「面接の際、最も意識する学生の性格」を聞いたところ、トップは「協調性」で、「チャレンジ精神」や「忍耐力」など、他を大きく引き離す結果となった。続いて「評価されている社員が、他人より優れているもの」については、「コミュニケーション力」「協調性」がワン・ツー。採用担当者の64%が「寮生活は仕事にも活きる」と感じており、多くが寮経験者に好印象を持っていることが明らかになった。

今回の結果を見ると、一人暮らしの学生に比べ、門限などもあり、集団生活ゆえのルールなどもある寮生活経験者が身に付ける傾向の強い能力が、企業の採用担当者にも響いている模様。学生時代の学習環境としても、社会に出てから活かせる経験を身に付ける場としても、学生寮という選択は“アリ”のようだ。また、㈱共立メンテナンスが運営している学生寮の中には、専門の講師を招いて寮内で就職セミナーを実施し寮生の就職活動をサポートしているところもある。この春から一人暮らしを始める新大学生には、就職活動時のメリットも考慮して、学生寮に入ることを検討してみては。【東京ウォーカー】

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