世界で1000万人が熱狂!「ツタンカーメン展」の見どころとは?

関西ウォーカー

「ツタンカーメン展 黄金の秘宝と少年王の真実」が東京・大阪の2都市で開催。2004年のスイスでの開催をはじめ、世界11都市で公開され、延べ1000万人が来場したという話題の美術展がいよいよ日本に上陸する。

注目は、ツタンカーメン王の黄金のカノポス。カノポスとはツタンカーメンの内臓が保管されていた器のことを指し、今回展示されるカノポス内には、防腐処理をされた王の肝臓が入れられていたそう。容器に描かれた王は殻竿と杖を持ち、上下にエジプトを表すハゲワシとコブラの付いた、ネメス頭巾を被る伝統的な姿で表されている。

実はこのカノポス、本来は別人のために作られたものを少年王が使ったという説もある。容器に描かれている王の容貌は、ツタンカーメンのミイラを納めていた人型棺とは目鼻立ちが異なることや、容器にツタンカーメンの即位前に短期間統治した王の名前が書かれていることがその理由だ。

同展では、77cmのツタンカーメンの半身像も展示。ツタンカーメンの肖像の中で最も美しいものの一つと言われる肖像なので、カノポスと見比べてみても良いかもしれない。肌は赤茶色、眼と眉は黒く塗られており、体は亜麻布のシャツを表すために淡黄色で彩色されている。発掘者のハワード・カーターは、王の衣装掛けか衣服を仕立てる際のマネキンと考えたが、何に使われたかは分かっていない。儀式用の彫像であった可能性もあると考えられている。

他にも、ツタンカーメンのミイラが身にまとっていた黄金の襟飾り、短剣や、ツタンカーメンの子供を埋葬したと考えられている子供用カルトナ-ジュ・マスク、化粧容器など、ツタンカーメン王墓の副埋葬品約50点を含む、全122点が展示される。

また、最新科学による謎の解明も。世界的なエジプト考古学者ザヒ・ハワス博士は、CTスキャンとDNA鑑定によって、ツタンカーメン王の健康状態、死因、死亡年齢、親子関係などの真実を明らかに。現在も進行中の博士の研究を基にした、ツタンカーメンの素顔に触れることができる。

同展は、3月17日(土)~6月3日(日)に大阪天保山特設ギャラリーで、8月4日(土)~12月9日(日)に上野の森美術館で開催される。1965年に開催され、日本美術展史上、最多入場者数を記録した「ツタンカーメン展」と同様に、大きな注目を集めそうだ。【詳細は関西ウォーカー3月13日(火)発売号に掲載】

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