“半熟女”で“ド”が付くほどのコテコテの昭和歌謡ユニットが南国・沖縄で誕生した。そのユニット名もコテコテで、“アリサとフジコ with ココナッツオイルズ”。3月21日(水)に満を持して1stアルバム『ファンタスティック!』を発売する(地元・沖縄では2月14日より先行発売中)。
アリサとフジコ with ココナッツオイルズは、ソロアーティストとして活躍しているむとうありさと首里フジコによるユニットで、音楽を担当するココナッツオイルズは、県内のライブハウスやジャズスポットで夜な夜な演奏を奏でているベテラン勢。洗練されたAOR系のポップスを得意とするむとうと、ジャズ、ボサノバ等をミックスしたオシャレ系サウンドを奏でるフジコが、昨年初頭ごろからカフェライブやイベントで一緒に活動を開始した。
そもそものきっかけは、プライベートでいったカラオケスナック。共通の友人に誘われて出向いた2人は、思いがけずに意気投合。ピンク・レディーや昭和歌謡でさんざん盛り上がり、「いつか何か面白いことができたらいいね」と盛り上がったそうだ。
アリサとフジコの真骨頂はそのライブパフォーマンス。日本歌謡曲の名曲を歌いつつ、ダンスで魅せる。また、曲の合い間には笑い交じりのトークを展開、時にはちょっぴりお色気を織り交ぜたパフォーマンスで観客を“幻惑”する。感動あり、笑いあり、お色気ありというパフォーマンスが口コミで話題を呼び、めでたく今回CD化の運びとなった。
ライブで奏でるナンバーは、ザ・ピーナッツ、ピンク・レディーなどのメジャーナンバーから、マニアックな珍曲もチョイス。それだけではなく、昭和テースト満載のオリジナル曲まで披露する。今回のCDには、その中から選りすぐりの10曲が収録された。
2人が昭和歌謡にこだわった理由は、「本当に素晴らしい曲や歌い手さんが沢山いらっしゃって、日本の昔の歌の世界の素晴らしさをもっと多くの方と共有したい」ということから。その素晴らしさを現在のリスナーに、より分かりやすく伝えるため、ファッションも当時のテーストにこだわり、バンドの音やクオリティーも手を抜かない。すべてがパッケージとして完成されているのだ。
その姿勢はオリジナル曲にも反映されている。特に「さくらんぼキッス」は、昭和のアイドルをイメージして作られ、「昔懐かしい親衛隊の声も再現しています」と、アイドルには欠かせない存在だった“親衛隊”も曲の中に登場させるという、かなりマニアックなこだわりも。
折しも、3D版映画『三丁目の夕日'64』が大ヒットを記録、テレビでは山崎豊子原作の「運命の人」(TBS系)が堂々のドラマ化、出版では大山顕ら団地好きユニット「団地団」が書籍「団地団 ~ベランダから見渡す映画論~」を刊行し、音楽界では由紀さおりが世界的ヒット…など、エンタメ業界では少し前からゆる~く“昭和ブーム”が続いている。そんな中、沖縄が生んだ“昭和歌謡ユニット”アリサとフジコが、全国区でどう受け入れられるか、注目したい。【東京ウォーカー】