「第4回沖縄国際映画祭」3日目の3月26日(月)、沖縄コンベンションセンター・シアター1で、長編プログラムPeace部門の出品作品『アーティスト』の上映が行われた。上映前の舞台あいさつにはミシェル・アザナヴィシウス監督の登壇が予定されていたが、急きょ来日が困難となり、監督からのビデオメッセージが紹介された。
この作品は、本年度アカデミー賞の作品賞ほか最多5部門を受賞した注目作。1920年代のハリウッドを舞台に、サイレント映画の大スターの没落と、彼に憧れる新進女優とのロマンスを描いたフランス映画だ。作品の時代背景同様、全編サイレントで撮られたことも話題となった。
上映前にアザナヴィシウス監督のビデオメッセージが届いた。
「みなさん、こんにちは。『アーティスト』を監督いたしましたミシェル・アザナヴィシウスです。今回、沖縄国際映画祭にお邪魔して、みなさんにお会いできるのを心から楽しみにしていましたが、どうしても日本に行くことができなくなってしまいました。日本のみなさんにいち早く『アーティスト』をご覧いただき、すてきな時間を一緒に体験できたら、と思っていたので本当に残念です。
『アーティスト』はサイレント映画なので、言葉の壁を越え、全世界で思いを共有できる素晴らしい作品に仕上がりました。沖縄国際映画祭に掲げられている「Laugh & Peace」というテーマにもぴったりな作品だと思います。シンプルで素敵な物語を伝えたくてこの映画を作りましたので、みなさんに愛していただければとても嬉しいです。わたしは沖縄の舞台に立つことはできませんでしたが、みなさんが心より楽しんでくださることを切に願っています」。
『アーティスト』のポスターの前に立ち、穏やかな表情で話す監督のメッセージに、観客たちは静かに耳を傾けていた。『アーティスト』は4月7日(土)よりシネスイッチ銀座ほかで全国ロードショー。【東京ウォーカー】